有名大学から角界まで…
大麻汚染が止まらないホントの理由
(週刊朝日 2009年2月20日号掲載) 2009年2月11日(水)配信
また、栽培許可を得ずに大麻種子を育てる行為は違法だが、種子自体の所持は違反にならず、鳥の餌としても販売されている。
大麻の種は簡単に手に入り、これが大麻栽培の温床になっているとの指摘もある。インターネットで麻を使った小物などを販売している女性はこう話す。
「法律上は種を購入しても合法です。今は捜査の目が厳しくなっていますが、5、6年前は無法状態でした。今でもインターネットはもちろん店頭でも売っている。種を発芽させれば違法ですが、あくまで売る側も買う側も種の『観賞用』ということにしている。マニュアル本などを購入すると誰でも簡単に栽培できます」
価格は10粒で5千〜7千円ほどだ。
法律に不備があるだけでなく、流通ルートも野放しだ。過去に大麻を売っていたという男性はこう話す。
「僕は知り合いの暴力団の下っ端から購入し、そこから10%ほど値上げして売っていました。売値は1グラム3千〜8千円。売る相手が仲良しだとやっぱり安く売っちゃいます。儲けなんてほとんどないですよ。自分で栽培してる人や暴力団に近いほど価格は安くなる。逮捕されたらとにかく『町の外国人から買った』と言うのがルール。誰から買ったなんて言ったら、その人が逮捕されちゃうから。実際に知らない外国人から買う人なんかほとんどいない」
5年前に大麻を所持していたため路上で逮捕されたという関西在住の30代男性はこう話す。
「路上で職質されて見つかり、そのまま警察署の留置場につれていかれました。翌日取り調べを受けたんですが、自分を捕まえた警官が部屋に入ってきて、『大麻くらいでごめんなあ』と言われました。なんだかバカにされた気になりました」
本気で“蔓延”を防ぐ気があるのだろうか。
日本における大麻は、これほど不可思議な存在なのだ。マスコミも逮捕報道ばかりで、こうした実態についてはほとんど触れない。
アメリカのあるメディア・ネットワークで「オバマ大統領のチェンジアイデア」を募集、投票したところ7847アイデア中、「カナビス(大麻)使用の合法化」が約2万票を獲得し、第1位だったという。
日本もせめて大麻の影響を検証するくらいは“チェンジ”してみてはどうか。
本誌・上田耕司、小宮山明希
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