有名大学から角界まで…
大麻汚染が止まらないホントの理由
(週刊朝日 2009年2月20日号掲載) 2009年2月11日(水)配信
厚生労働省の監視指導・麻薬対策課はこう話す。
「第2次世界大戦が終わり、アメリカから大麻について規制すべきだという命令があって、それに基づいてのものです。ただもし、それが本当に意味のないものであれば、法律は廃棄すればいい。それでも、いま現在も法律は存在していて、何度か改正しているわけですから、われわれは必要な法だと理解しています」
前出の岡野弁護士もこう解釈する。
「いろんな議論があるところですが、少なくとも大麻を吸って怠け者になるという部分は争えないと思います。そこで社会の規律が乱れるなら禁止してしまおうということです。個人に対する罪ではなく、社会の風俗に対する罪なんですよ」
しかし、丸井弁護士の見解はこうだ。
「この法は、大麻を規制する社会的必要性があり、国民から大麻を規制しなければいけないという要求があって成立したものではありません。このような社会的必要性を裏付ける立法事実がない法律はいったん白紙に戻して、もし規制する必要があるのならば、規制する側がその必要性を国民に対して具体的に証明するべきでしょう」
法律が不備なのはそれだけではない。日本では、大麻を所持すると逮捕されるが、なぜか「使用」だけでは逮捕されない。だから、ドーピング検査で尿から大麻反応が出た東芝ラグビー部のクリスチャン・ロアマヌ選手は逮捕されていない。なぜ大麻は「使用」だけでは罪に問われないのか。
「大麻の煙がモクモクの状態だと、その場にいただけで、人は受動的に吸ったことになります。こうした受動喫煙があるので、仮に尿検査をしたときに陽性反応が出たからといって、それだけで逮捕したら誤認逮捕にならないかということなんです」(麻薬対策課)
普通に考えたら、有害薬物を持っていることより使ったことのほうが罪が重いような気がする。さらに記者が「大麻ってそんなに悪いものなのか」と聞くと、
「わからないですね。依存性成分が含まれていても、種が食用として使われているとか、茎は昔から使われてきたとか、大麻イコール悪ではない。問題は大麻の中に依存性のあるものがあって、それが有害だと言っているにすぎない」(同課)
と、根拠があいまいなことを認める。
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