有名大学から角界まで…
大麻汚染が止まらないホントの理由
(週刊朝日 2009年2月20日号掲載) 2009年2月11日(水)配信
大麻取締法違反で逮捕された若麒麟 [拡大]
ついに日本人力士が大麻所持で逮捕された。逮捕後発見された彼のノートには「パクラレたらリスクはデカイか」などと、発覚することを不安に思う記述があった。大麻を所持すれば逮捕される──そうとは知りつつも手を出す人は老若男女問わず後を絶たない。なぜ大麻は“蔓延”するのか。
下の表を見てもらいたい。今年に入ってから大麻取締法違反で問題となった主な事件だ。逮捕者は東大生から中学教師、ミュージシャンやスポーツ選手までさまざまだ。
なぜ彼らは簡単に大麻に手を出したのか。その理由の一つが大麻の形状や取り扱いの容易さにある。大麻問題に詳しい岡野武志弁護士はこう指摘する。
「覚せい剤は注射で打ったり、見た目も白い粉で、いかにもおぞましい感じがします。大麻は一見たばこに似ているため、手を出すハードルが低くなっている」
では、そのたばこに似ている大麻を吸引すると、どんな感じになるのか。海外で何十回となく大麻を吸ったことがあるという20代の男性はこう話す。
「思考はしっかりしているけど、お酒に酔っているという感じ。自分の場合はよく笑って、しゃべりました。作用は人によって違うようですが、非常にリラックスするのは同じ。一緒に大麻を吸った人の中には眠ってしまう人もいた」
全米科学アカデミー医学研究所が1999年に発表した調査結果によると、大麻使用者の9%が依存症になるという。これはアルコールの15%、たばこの32%より低い。この結果に先の男性はうなずく。
「以前、1年間海外に住んでいたのですが、大麻はそれほど珍しいものじゃなかった。イタリアでホームステイした家でもお母さんが大麻を育てていました。ごくごく普通の家族ですよ。私も毎週末お酒を飲むように大麻を吸っていましたが、日本に帰ってきて一回も吸ったことはありません。別に吸いたいという欲求もわきませんね」
もっとも、大麻の依存性についての見解は人それぞれのようだ。岡野弁護士はこう忠告する。
「依存性がないというのは、たまたまその人がそうならなかったというだけの話。依存してしまう人は実際にいる。私が知っている中にも、大麻は欲しいがお金がないので、モノを盗んだ人がいるくらい」
現在、オランダやカナダでは一定量以下の大麻であれば所持するのは犯罪として処罰されない。また、イギリスでは04年に個人が大麻を使用する分には処罰されないよう法律が改正された。
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