有名大学から角界まで…
大麻汚染が止まらないホントの理由
(週刊朝日 2009年2月20日号掲載) 2009年2月11日(水)配信
スペインやイスラエルなど、「大麻は一部の患者にとって有益」として医療大麻を認める国もある。大麻の研究が進むにつれ、その有用性がわかり、現在ヨーロッパでは大麻が見直されつつあるといわれる。
そんな中、日本では大麻取締法第4条によって「大麻から製造された医薬品の施用を受けること」は禁止されている。その一方で、大麻の害を訴える研究者たちの中でさえ「医療大麻は合法化すべきだ」という意見が上がっている。岡野弁護士もこう話す。
「現在の法律では、ライセンスを取れば大麻を所持、栽培、使用できます。その幅を医療大麻に広げればいいとは思います」
大麻取締法のあり方について問題提起してきた「大麻堂」(東京都世田谷区)オーナーの麻枝光一さんは、大麻の人体への悪影響について疑問を呈する。
「日本では大麻が人体にどう影響を及ぼすのか一度も調査されていません。それなのに、厚生労働省の所管の麻薬・覚せい剤乱用防止センターでは、ホームページで大麻を有害薬物と位置づけて、大麻には『発がん性物質がタバコより多く含まれています』『胎児の大麻中毒や流産、死産の原因になります』などとうたっているんです」
大麻取締法が成立したのは1948年。法ができる戦前までの日本では大麻栽培が盛んだったようだ。
大麻研究者で弁護士の丸井英弘さんはこう話す。
「日本では1万年以上前の縄文時代から大麻を栽培したり、使ったりしていました。着るものを始め、下駄の鼻緒、たたみ、壁、屋根、蚊帳、漁網も大麻で作られている。日本人のライフスタイルに密着していたんです」
実は大相撲の綱も大麻で作られている。これほどまで日本人の生活に不可欠だった大麻がなぜ、急に栽培や所持ができなくなったのか。丸井弁護士は続ける。
「第2次世界大戦でアメリカが日本を占領し、ポツダム命令で大麻は規制されました。GHQの狙いは麻の産業を規制し、日本をアメリカの石油製品のマーケットにすることでした。それまでの日本では衣食住の多岐にわたって大麻を使っており、日本の自給自足に不可欠なものだったんです。もちろん当時は大麻の乱用などありませんでした。ですので、大麻を規制する社会的必要性はなかった。だから、法律にも何のために大麻を取り締まるのかその立法目的が明文化されていない。法律としては欠陥法だと思います」
本当にGHQによる一方的な規制だったのか。
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