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【三重】

近鉄脱線事故「安全管理、大丈夫か」 不安げに見つめる住民

2009年2月28日

夜遅くまで続く脱線現場の復旧作業=津市の近鉄東青山駅付近で

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 津市白山町の近鉄大阪線東青山駅付近で27日早朝、発生した名張発伊勢中川行き普通電車の脱線事故。現場では利用客や住民が線路から大きく外れて壊れた車両を不安そうに見つめた。

 住民らは「乗客らに大きなけががなかったのは奇跡的」と胸をなでおろす一方、原因が近鉄側の人的ミスである可能性が高まっていることに「安全管理は大丈夫か」と疑問視する声も上がった。

 東青山駅の近くに住む無職庄山正一さん(72)は「孫が通勤に使っている電車なのでとても不安です。大惨事にならなくてほっとしました」と話した。

 現場近くの旧総谷トンネルでは1971(昭和46)年、近鉄の電車同士が正面衝突し、死者25人、負傷者288人を出した「青山トンネル事故」が起きている。

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 今回の事故は保線工事の作業車を移動させるため、引き込み線と本線を結ぶ移線装置の外し忘れが原因とみられ、津市久居一色町の無職森田豊克さん(70)は「昔の事故の記憶がよみがえった。近鉄は安全管理にもっと気をつけてほしい」と険しい表情だった。

 東青山駅は休日に散策客らでにぎわう公園「東青山四季のさと」に隣接。周辺に民家は少なく、平日はわずかな数の通勤通学客が利用するだけ。不通となった青山町(伊賀市)−伊勢中川(松阪市)間は復旧の見通しは立っていないが、近隣の駅からバスの代替輸送があり、駅では大きな混乱はなかった。

 (鈴木龍司、高嶋幸司)

 

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