台湾総統、罵声の中で追悼 2・28事件式典で【高雄(台湾南部)28日共同】蒋介石の国民党政権が台湾全土で台湾人の抵抗運動を弾圧した「2・28事件」から62年目の28日、同党の馬英九総統は高雄で野党系団体主催の追悼式典に出席し、犠牲者の遺族らの前で当時の政府の責任を認めた上で「あのような悲劇が二度と起こらないよう願う」と述べた。 昨年5月に国民党が与党になってから初の事件記念日で、式典には馬政権の対中政策などに不満を持つ野党や台湾独立派が出席。「馬英九やめろ」などと罵声が飛び、総統の声はかき消され会場は一時騒然となった。 事件は本省人(台湾出身者)と蒋介石を筆頭とする外省人(中国大陸出身者)による対立の「原点」といわれ、台湾社会に今も深い傷あとを残す。馬総統は最近、関連行事に立て続けに参加して犠牲者との「和解」をアピールする一方、蒋介石の再評価も進めており、野党などの反発は強い。 陳水扁前政権は「蒋介石は台湾人を弾圧した独裁者」と批判し、蒋介石をたたえた「中正記念堂」(台北)の名称を変更したが、馬総統は政権交代後すぐに元に戻すことを決めた。事件の犠牲者遺族代表、林黎彩さん(63)は馬政権を「信用できない」と痛烈に批判した。 【共同通信】
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