昨年の県内、大幅に下回る はしかワクチン追加接種率 2009/2/28 14:53
若者のはしか予防のため、全国の十三歳と十八歳全員を対象に昨年四月から始まったワクチンの追加接種で、厚生労働省は二十日、昨年末の接種率をまとめた。徳島県は十三歳が60%(全国平均66・1%)、十八歳が52・1%(58・1%)にとどまり、いずれも全国四十二位だった。流行抑止に必要とされる接種率95%を大きく下回っており、県は二十八日から三月八日までの「子ども予防接種週間」に合わせて接種を呼び掛ける。
接種週間は医師会や厚労省が毎年、入園・入学を控えたこの時期に設けている。今年は追加接種を含む、はしかの予防接種率向上を目指し、土、日曜を二回含む日程を設定。県内の実施医療機関は約百五十施設で、土、日曜に受けられる施設も増えた。
厚労省や県によると、県内の接種率は昨年六月末時点で十三歳33・1%、十八歳24・6%(いずれも全国ワースト十一位)、九月末では十三歳48・2%(同三位)、十八歳41・5%(同七位)。昨年末ではいずれもワースト六位となった。
都道府県別の昨年末の接種率一位は福井で、十三歳87・7%、十八歳81・4%。最も低いのは十三歳が大阪の55・2%、十八歳は東京の40・6%だった。
追加接種は、二〇〇七年度の流行による高校や大学の休校続出を教訓に、〇八年度から十三歳と十八歳を対象に五年間の時限措置として導入された。費用は公費負担のため無料。厚労省は一二年までに国内での流行ゼロを目指している。
これを受け徳島県や各市町村は、広報紙や学校を通してチラシを配るなどして接種を呼び掛けた。しかし、〇八年度の県内での感染例は三件と、集団感染があった〇七年度(二十五件)と比べて大幅に減ったことなどから、接種への意識は高まっていない。
こうした状況に、徳島市では、市医師会が十九日から市立中学一年を対象に学校での集団接種に乗り出した。今後、他の市町村に広がる可能性もある。
県感染症・疾病対策室は「対象者はぜひ、年度内に接種を受けて」と呼び掛ける一方、「徳島市の集団接種の結果や接種率が高い他県の状況も分析しながら、接種率向上に取り組んでいきたい」としている。