MENU

RANKING

モバZAKのご案内

iモード、EZweb、Yahoo!ケータイで大好評配信中

社会ホーム > 社会 > 記事詳細

  • イザ!ブックマーク
  • はてなブックマーク
  • livedoorクリップ
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • ブックマークに追加する

1年で株価1/14大暴落…IT風雲児CSK非常事態

不動産事業で大失敗

 東証1部上場の情報サービス大手、CSKホールディングス(東京)に金融市場から厳しい視線が注がれている。2009年3月期に巨額の連結営業赤字を計上する見込みで、株価は1年余りで約14分の1、社債の価格は額面(100円)の4分の1ほどと散々な状況になっている。業界の風雲児と呼ばれたベンチャー企業の雄に、一体何が起きているのか−。

 CSKは2月に入り、09年3月期の連結営業損益の見通しを、従来予想の150億円の赤字から1020億円の赤字に大幅に下方修正した。08年3月期が192億円の黒字だったことを考えると雲泥の差だ。

 業績悪化は、03年から金融子会社のCSKファイナンスを通じて進出した不動産証券化事業のつまずきが主因。保有不動産の価格が下落したことで、08年10−12月期に評価損が652億円も発生した。

 「本業のシステム開発とは無関係な不動産金融に手を出し、不動産市況悪化の影響をモロにかぶった」(大手銀関係者)

 これ以外にも有価証券の評価損や売却損が重なった。

 金融危機の影響をモロに受けたCSKは、総事業費442億円で横浜市のみなとみらい地区に計画していた本社ビル(地上33階建て)建設を中止している。

 そんなCSKに金融市場は厳しい視線を注ぐ。株価は昨年1月4日に3640円、同11月5日でも902円あったが、業績悪化を嫌気し今月26日には255円まで下落。1年余りで約14分の1になっている。

 さらに厳しいのは社債市場だ。CSKが06年7月に発行した「第7回無担保転換社債型新株予約権付社債(CB)」は、額面100円に対する価格が今月12日に23.30円まで下落した。

 このCBの償還日は13年9月。今月12日時点で約23円で買い4年半保有していれば、約4倍の100円を受け取ることができる。価格がここまで安くなっているのは、「投資家は、CSKが4年半後にきちんとCBを償還できるかどうか疑問に思っている」(市場関係者)からに他ならない。

 CBは普通株に転換できるが、転換価格は5892円。株式市場で1株200円台半ばで買えるCSK株を、5892円も出して買うのと同じことになり、「普通株への転換は事実上、不可能」(同)となっている。

 CBの価格は今月26日時点で29.00円とわずかながら回復しているが、「保有者としては、現時点では社債を売るわけにもいかず、株式に転換するわけにもいかずといった状況。息をのんでCSKの動向を見つめるしかない」(同)という。

 株価やCBの価格下落について、CSK広報室は「市場で評価された結果。こちらとしてはコメントする立場にはない」と話している。

 CSKは、「ITベンチャーの父」とも呼ばれた大川功氏が1968年に設立したシステム開発会社。当時、大手企業が独占していたシステム開発事業に独立系ベンチャーとして挑み、大きな風穴を開けた。84年には、ゲーム会社セガ・エンタープライゼス(現セガ)に資本・経営参加するなど、積極的な事業展開で名をはせた。

 大川氏が01年に亡くなってからは、04年にセガを手放す一方、コスモ証券に資本参加するなどさらに事業を多角化。しかし、03年進出の不動産証券化事業で大きくつまずいてしまった。

 CSKは今月26日、不動産証券化事業を推進していた青園雅紘・代表取締役会長を3月1日付で取締役とする降格人事を発表した。

 現在の苦境を、泉下の大川氏はどのようにみているだろうか…。

ZAKZAK 2009/02/27

社会ニュース

もっと見る