卒前・卒後教育の改革を―文科省
文部科学省は2月13日、「医学教育カリキュラム検討会」(座長=荒川正昭新潟県健康づくり・スポーツ医科学センター長)の第3回会合を開き、産婦人科と小児科の教育に携わる3人の医師からヒヤリングを行った。
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北里大学医学部の海野信也教授(産婦人科)は、現在の卒前・卒後教育の問題点として、▽国家の医療費削減政策と教育予算抑制政策▽教育の内容に対する国家の過剰な介入▽卒前教育改革と卒後教育改革の一貫性の欠如▽私立医科大学の高額学納金▽医学部臨床系教員の低賃金・劣悪な勤務環境―などを挙げた。
また、国家試験のあり方についても言及。「出題範囲が広く、非臨床的な問題も多い。試験合格が医学生にとって最大の課題となり、その合格が最優先されるため、卒前臨床実習が形骸化している」と指摘した。
さらに、産婦人科の卒前教育の問題点として、(患者から分娩、診察の見学を拒まれることが多く)男子学生は実習が困難であることや、産婦人科医の絶対数の減少などを挙げた。その上で、産婦人科医を確保するための施策として、▽大学病院の外科系診療部門の勤務条件を緩和すること▽臨床系教員の定員を増やすこと▽教育病院での学生実習の自由度を確保すること▽学生が外科的処置の現場に触れる機会を増やすこと―などを提案した。
日本小児科学会の横田俊平会長は、現在の小児科医療の問題点として、▽勤務小児科医の激減▽核家族の増加などによる小児科医の需要増大▽救急外来の受診者増加▽乳幼児の発育支援や学校医・園医など小児医療の裾野の広がり―などを挙げた。また、小児科医の臨床教育については「(医学部入学から)最初の8年間をもう少し整理すべき」として、初期研修を卒前教育に組み込むことや、卒後研修を3年間の小児科専門研修にすることなどを提案した。
昭和大医学部の板橋家頭夫教授(小児科)は、「CBT、OSCE(客観的臨床能力試験)を前期国家試験として位置付けることで、国民が安心して卒前教育に協力できるようになるのではないか」などと提案した。また、卒後教育を家庭医コースと専門医コースに分ける考え方も示した。
更新:2009/02/27 22:10 キャリアブレイン
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