――階級闘争であれ、近親相姦であれ、教師が口にしてならないものはない。というのもかれの地位、人格、人物が暗にかれのことばの「中立化」を含意しているからである。また、言語は、つきつめていくともはやコミュニケーションの手段でありえず、呪縛の手段であって、その主要な機能はコミュニケーションとその伝達内容に関わる教育的権威を証明し、かつ押しつけることにあるからである。
ピエール・ブルデュー&ジャン=クロード・パスロン『再生産』
2008年11月15日
クリック統計学の恐怖
先週何人かの修論を見(てあげ)たのだが、外国語教育系の院生の修論のクオリテがえらい低い。はたして卒論は書いたんだろうか。いや、書いたからここにいるんだよな。。。
なにがやばいかっつうと、端的に言ってしまえば、方法論。まあ、リサーチクエスチョンの導出の仕方とか、先行研究の位置づけとか、他にも変なところはあるが、それは他の院生もおなじ。外国語教育系の院生に際だって目立つヤバい部分が「適切な方法論は何か」ということがちっともわかっていないということだ。
まずアンケートの使い方がめちゃくちゃ。多分アンケートなどという俗っぽい呼称を使うから誤解するんかな。「質問紙調査」なら堅くていいかんじ。質問紙調査ってのは、かなりつよい仮説が調査に先立ってある場合に、初めて使える方法。
「とりあえず、ばらまいてみよ〜」的な気軽なノリでやっちゃだめでしょうに。そう言う場合はインタビューを使うの!普通は。
あと、それにも関係するけれど、統計を使うのにも関わらず、「母集団」という概念がないようだ。いきおい、「無作為抽出」「帰無仮説」という概念もないらしい。いやしかし、「母集団」を意識しないまま、カイ2乗検定などやっているわけだが、それって一体なに調べたいんだろうか。
うああ、クリック統計学(エクセルや統計ソフトのボタンを「クリック!」することで統計解析を行う学問)はマジで怖い。
「方法論が弱い」というのは、ジャンル中心主義・非ディシプリン系の英語教育・日本語教育系の宿命なんだろうか。「英語教育」って学問の名前じゃないしね。すくなくともその分野特有の方法論は含意しない。
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