DV被害に救いの1冊 NPO法人が作製(2008/06/23)
「多くの女性を救いたい」と、DV被害者支援のための冊子を手にする三浦久美子事務局長
 女性が身近な男性から暴力を受けるドメスティックバイオレンス(DV)。青森県内の特定非営利活動法人(NPO法人)として唯一解決に取り組むウィメンズネット青森が、五月に作製した被害者支援のための冊子に関心が高まっている。口コミなどで冊子の存在を知った女性らからの求めで、発行した三百冊のほぼ半分が一カ月余りでなくなり、追加作製や改訂版発行も検討し始めた。暴力に苦しみ、一人で悩む女性が多いことが背景にあると言えそうだ。
 
 冊子は「DV被害者支援のためのガイドライン 私たちのサポートブック」。約百ページにわたり、暴力が被害者に与える影響などDVの詳しい知識や、同法人に相談後、行政や司法などの支援を受け、新生活を再建するまでの具体的な流れなどを解説している。
 実際に被害を受けている女性については、同居する夫や恋人から安全に逃げ出す方法、その後の生活のために必要な預金通帳や母子手帳といった「持ち出しリスト」などのアドバイス情報も掲載。
 相談に当たっている会員のためのマニュアルや、体験談、感想も紹介している。
 五月十五日の発行以来、相談に訪れた女性らに配布しているが、うわさを聞き「冊子が欲しい」と電話してくるケースや、冊子を知ったのを契機に相談に訪れるようになった人もいるという。
 作製は二〇〇六年から始まった。三上久美子前理事長が指揮を執ったが、完成を待たずに昨年十月、病気で死去。遺志を継いだ会員らの手で、ようやく完成にこぎ着けた。
 〇七年度、県の機関に寄せられたDVに関する相談は、千八十八件に上っている。同法人にも昨年五月からの一年間で四百八件の相談があった。
 同法人の三浦久美子事務局長は「一人で悩まず、冊子を見て希望を持ち、ぜひ相談に来てほしい」と呼び掛けている。冊子などに関する問い合わせは、ウィメンズネット青森=電話017(743)0797=へ。
【写真説明】
「多くの女性を救いたい」と、DV被害者支援のための冊子を手にする三浦久美子事務局長

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