頭の体操です。次の質問に答えてみてください。「地方議会の権限ではないものを、一つ選択しなさい」。
(1)条例を制定改廃すること(2)決算を認定すること(3)市町村では基本構想を議決すること(4)すべての予算を調製し執行すること。答えは(4)。地方自治法では知事、市町村長が予算を調製して議会に提案しなければならないとある。
行政学の大学教授らでつくる議員力検定協会がインターネットに載せる「議員力検定・一般三級の練習問題」から拾った。ほかの質問は「選挙運動で禁止されているものを、一つ選択しなさい」など。
協会は一月、議員力検定のプレ試験を行ったが、五月には第一回試験を実施する予定だ。最近、各種の検定がはやっているだけに、ブームに便乗した感もあるが、議員力検定試験を企画し、本紙「ひと」欄で紹介された法政大教授の広瀬克哉さんは「議員、市民双方の地域や国の在り方を考える力を高めたい」と語る。
有権者は、政治が機能していないと不満を口にすることは多いが、行政や議会に対する知識は案外乏しい。広瀬さんは「現実社会の複雑な問題を読み解くには、まず現行制度の正しい理解から」と主張する。うなずける。
検定が政治への関心を高めるきっかけになれば意味があろう。議員を選ぶ目も養われよう。