病原ダニ生息域探れ 日本紅斑熱、昨夏に男性発症仙台市で2008年8月、病原を持つダニを介した日本紅斑熱の発症例が確認されたため、市は新年度、河川敷などを散歩するペット犬を対象に病原リケッチアの抗体を調査する。市獣医師会と連携して抗体を調べ、ダニの生息域を把握するのが狙い。今夏をめどに結果をまとめ、感染予防に役立てる。調査は5月ごろ、各区の動物病院3―5カ所で行う予定。ダニが多くすむ河川敷や公園を飼い主と散歩する犬が対象で、500匹の血液を目標に集める。犬の種類や年齢、性別、家での飼育場所、行動範囲も調べる。 検査は市衛生研究所(若林区)が担当。提供された血液に、紅斑熱の病原リケッチアの抗体があるかどうかを分析する。 市衛生研究所は「どの地域にダニがいるかを把握することは重要。一緒に散歩する飼い主への影響も懸念され、調査結果を基に注意を呼び掛けたい」と説明する。 市は1月、市獣医師会に協力を要請。1月下旬から2週間、発生場所に近い動物病院3カ所で事前調査を実施し、約30の検体を提供してもらった。3月末までに事前調査を終え、市全域を対象にした本格的な調査の参考にする。 紅斑熱をめぐっては、宮城野区の男性が08年8月に発症。市内では初、東北では2例目の発症例で、同区梅田川河川敷を散歩中にダニに刺されたとみられる。市は国立感染症研究所(東京)などと調査し、梅田川河川敷でダニからリケッチアを確認した。 市獣医師会の茂木国男会長は「犬は人より地面の近くを歩くため、ダニにかまれやすい。犬に抗体があれば、発生を予測でき、感染予防につながる」と強調した。
2009年02月27日金曜日
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