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【単刀直言】中川昭一元政調会長「おかしな流れはきっちり断ち切る」

2008.7.18 01:33
 とにかく最近は「政治がつまらない」って声ばかり耳にしますよね。福田内閣の支持率や自民党支持率は低迷しているけど民主党の支持率も決して高いとはいえない。つまり国民の政治への関心が低下しているんじゃないかな。政治への批判は大いに結構だけど「政治に期待するぜ!」っていう声がほとんど聞こえてこないというのはやっぱり寂しいですよ…。
 よく考えると、今春に社会に巣立った20歳代の人たちはバブル崩壊後の「じっとして動かない日本」しか知らないんだよね。「さあ元気にいこうぜ! 多少の冒険しても前に進んでいこうぜ!」という時代をまったく体験していない。映画「ALWAYS 三丁目の夕日」を見ても「これは一体どこの国の話なの?」と思ってしまうような世代なんですよ…。
 「家庭も会社も自分さえもおかしくなっちゃうかもしれないからリスクは冒さない方がいい」。そんな空気の中で育ってきた世代に奮起を期待するのは酷だという人もいる。じゃあ若い世代が「みんなで支え合って一生懸命頑張ろう」という時代を知らないまま老いていってもよいというのか。やっぱり今こそ日本が元気になって毅然(きぜん)として前に進めるような変化が必要なんです。「一生懸命頑張ればもっと豊かな暮らしができる」。そんな希望を国民に示すことが政治に求められているんですよ。
 でも永田町では「増税だ」「いや歳出抑制だ」という議論ばかりが盛んに交わされている。ちょっと待ってくれと言いたいよね。最優先すべきは、しっかりと経済を成長させ、国民生活を元気づけることじゃないのか。財政再建は確かに大事だけど縮こまった議論ばかりしていても国家の活力は生まれない。しかも世界経済は原油高と米国のサブプライムローン問題で失速し、世界同時不況の可能性も否定できない状況だよ。いま必要なのは聖域なき経済政策であり、減税や財政出動をタブー視すべきではないと思います。
 「中央公論」8月号で「緊急提言・改革のための改革を止めよ」と題し、定率減税復活や法人税減税、都市再生投資など日本経済復活のための13の政策を発表したのはそのためです。一部メディアから「総裁選へ名乗り」と書かれたがそんなちっぽけな功名心では断じてない。国民が政治にソッポをむき出した状況への危機感を喚起したかったんですよ。
 でも最近の永田町は「羮(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」風潮が強いよね。反省は日本人の美徳かもしれないが、反省しておしまいだったり、反作用で極端な方向に行っちゃうこともある。耐震偽装問題後の対応なんかまさにそう。あまりに建築基準法を厳しくしたばかりに建築不況を招いてしまった。
 官僚批判もそうだ。「居酒屋タクシー」などは無論けしからん話だけど、役人が志を失い、ビクビクしながら省益や自己保身に走るようになってはいけない。官僚機構が弱々しく国民と隔絶した存在になることは、国民にとってもハッピーじゃないでしょう。
 僕は自分を「保守派」と意識したことはないんだよ。ただ、あまりにも日本を自虐的に見たり守るべきものを抹殺して安易に外国のスタンダードに合わせる考えにはくみしないだけ。でも最近の外交には危機感を持ってますね。
 東シナ海の石油・ガス田開発や中国製ギョーザ中毒事件をめぐる中国に対する対応や日朝協議を見ていると「譲歩すれば物事は丸く収まる」という外交姿勢が復活しつつあるような気がしてならない。相手が一歩退けば二歩踏み込むというのが国際政治の現実なんだ。誇りと自信を持って、かつ傲慢(ごうまん)にならず日本の国益を守る。これがあるべき外交の姿だと思います。
 実は事務所に「おしかり」のメールが増えているんです。人権擁護法案や移民1000万人受け入れ提言を受けて「自民党は一体何を考えてるんだ!」ってね。インターネットってある意味怖いね。新聞やテレビが報じないこともきっちり情報収集している。もはやメディアの欺(ぎ)瞞(まん)は通用しなくなったんだね。政治家もごまかしは許されない。
 いずれにしても言論の自由を脅かしかねない人権擁護法案には絶対反対だし、失業問題が大変なご時世に移民を大量に受け入れる発想にも大いに疑問がある。真・保守政策研究会の仲間と力を合わせ、そんなおかしな流れはきっちり断ち切っていきますよ。(原川貴郎)
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