( ※ 話は前項とダブる。すみません。)
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朝日新聞の記事(2月11日)について示す。太陽電池の価格についての記事。
(1) 過去の価格データ
まず、真実が記してあった。次のようなグラフだ。「 2001年まではどんどん下がったが、2002年以降はろくに下がらない」
( ※ 詳しくは 前項 で述べたとおり。そちらを参照。グラフだけなら、こちら を見てもいい。)
ともあれ、過去の事実として、客観的なデータが示されたわけだ。
つまり、こうだ。太陽電池の生産量は、ここ 10年間ぐらい、急激に大幅に伸びているのだが、しかしながら、価格低下はろくになかったのだ。大量生産にともなう大幅な価格低下があったのは、大量生産がまだなされていないころ(2001年以前)にすぎなかったのだ。
こういう事実をちゃんと認識するといいだろう。(統計数字は嘘をつかない。)
(2) 将来の価格予想
過去を見れば、太陽電池の価格の下落幅はわずかだった。では、将来は? 記事(2009-02-11)は、次のように記す。計画では、官民の協力で3〜5年後にシステムの価格を半額に下げるという半額に下げる? 3〜5年で? 口あんぐり。どうしてこういう夢物語のようなホラを、堂々と書くのか!
「3〜5年後にシステムの価格を半額に下げる」
というのはホラに決まっている。背理法で示そう。
仮に、それがホラでないとする。つまり、それが実現可能だとする。その根拠は、何か? 大量生産か、技術革新か?
(a) 大量生産だとすれば、荒唐無稽の嘘をついていることになる。この件は、前 にも述べた。
大量生産が有効なのは、まだ大量生産をしていない時期だけだ。すでに大量生産が始まったとで、生産量を2倍か3倍にしても、コストダウンの効果はほとんどない。
(b) 技術革新か? もしそうなら、その画期的な技術革新が現実に起こる、ということを示さなくてはならない。ありそうもないことを夢見るだけでは、ホラを前提とした理屈は詐欺師の理屈にすぎない。
「お金を百億円下さい。もし百億円くれれば、すごい発明をして、何倍にもしてお金を返しますよ。だから百億円下さい」
詐欺師の理屈。
(c) 仮に、技術革新が実際に起こるとしよう。そうだとすれば、今なすべきことは、何もしないで、その時期を待つことだ。3〜5年でコストが半減する技術が開発されるのであれば、3〜5年ほど待てばいい。そして、その技術ができてから、普及させればいい。
たとえば、家庭におけるソーラーパネルが電力会社の電気料金と同じぐらいになるなら、自動的に普及するはずだ。ここでは、自動的に普及するのだから、補助金などは一円もいらない。
( ※ 強いて言えば、低利融資ぐらいだろう。補助金なんてとんでもない。まして、高額の補助金なんて、論外である。)
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要するに、
「3〜5年で大幅にコストダウンして、一般電力料金並みになる」
というのは、荒唐無稽の大ボラにすぎない。連中は、大ボラにすぎないことをわかっているからこそ、「自力でやります」とは言わずに、「莫大な補助金を寄越せ」と主張しているのだ。
結局、太陽電池の普及派というのは、ただの詐欺師である。「エコ」を名目にして、ホラを吹いて、国民の金をガッポリとちょうだいしよう、というわけ。
( ※ なぜなら、仮に彼らの主張が正しければ、彼らは「補助金は一円もいりません」と主張するはずだからだ。)
そして、こういう嘘つきの詐欺に加担して、国民に嘘をつくのが、朝日のようなマスコミだ。
(ま、Wikipedia などもそうですけどね。)
[ 付記 ]
念のために私の立場を述べておこう。繰り返しになるが。
「太陽光発電について楽観するな」
というのが私の立場だ。それは、
「太陽光発電について悲観せよ」
ということではなくて、
「太陽光発電について技術開発の努力をせよ」
ということだ。つまり、
「何もしないまま、楽観したり悲観したりするのではなくて、技術開発のための努力をせよ」
ということだ。人生観で言えば、
「どうせ道が開けると楽観するのでもなく、どうせ道が開けないと悲観するのでもなく、自分自身で道を切り開け」
ということだ。
しかるに、その技術開発の努力もしないで、他人の金ばかりをアテにする連中が、
「金さえかければ、万事うまく行くさ」
と楽観する。楽観しながら、国の金を盗もうとする。……そういう連中の能天気な詐欺を批判するのが、私の趣旨だ。
( ※ 本項は話が前項とダブっています。すみません。)
【 関連項目 】
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