倒産・動向記事
2009/02/27(金) |
SPA(製造小売アパレル)業 「OLIVE des OLIVE 」など展開 株式会社もくもく 民事再生法の適用を申請 負債160億円 |
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「京都」 (株)もくもく(資本金5000万円、京都市中京区柳馬場通蛸薬師下ル十文字町437、代表渡辺兼久氏、従業員180名)は、2月27日に京都地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。
申請代理人は神部健一弁護士(東京都中央区日本橋3-3-11、電話03-3281-7716)ほか1名。監督委員は浜垣真也弁護士(京都府京都市中京区竹屋町通室町東入ル、電話075-211-5549)。
当社は、1973年(昭和48年)4月創業、79年(昭和54年)5月に法人改組した有名婦人・子供服製造小売業者。SPA(製造小売アパレル)として、ヤングカジュアルのオリジナルブランドを展開。10代を中心に高い人気を得ている「OLIVE des OLIVE(オリーブ・デ・オリーブ)」(2008年9月期売上構成比73%)のほか、20代前半向けの「Re*OLIVE des OLIVE」(同25%)、バッグ・帽子など小物の「BAG des OLIVE」、インポートブランド「Red Rubber Ball」などを手がけ、小売部門としては全国のターミナルビルやファッションビル、百貨店を中心に直営97店舗、FC37店舗を運営していた。
99年には台湾へ出店。以降、海外での小売事業にも進出し、韓国や中国・上海にも現地法人を設立。韓国75店舗、中国30店舗、台湾20店舗、香港5店舗を運営していた。さらに、2005年3月には(株)バレンザ・ポー(東京都渋谷区、現・(株)バレンザ)、2007年2月には(株)ワールドワイドラブ(東京都千代田区)の営業権を譲り受ける(現在は独立し資本・取引関係なし)など、グループで積極的な事業拡大を図り、2008年9月期の年売上高は約121億2600万円に達していた。
しかし、買収資金やグループ企業の設備投資に伴う資金需要で金融債務は約100億円にまで増加。リストラを進める一方、スポンサーの選定を含めた抜本的な再建計画策定にも着手していた。この間、昨年1月には新設した同商号の法人(東京)に事業を承継する旨を官報公告しながら、同月末にこれを取り消すといったトラブルが発生。5月に入ると、関係会社向け資金流出などに伴う約40億円の簿外債務が発覚、大幅な債務超過状態にあることが表面化した。一部で支払い遅延が発生するなど、業界内で徐々に信用不安が拡大するなか、取引銀行27行との間で再建に向けた協議を進めてきたものの奏功せず、先行きの見通し難から、今回の措置となった。
負債は約160億円。