2009年2月27日 14時21分更新
岡山弁護士会に所属する弁護士が国選弁護の報酬を水増しして請求し、不正に受け取っていたとされた問題で、制度を運営する日本司法支援センターは、きわめて悪質だとして詐欺の疑いで警察に告訴しました。
岡山弁護士会に所属する黒瀬文平弁護士(67歳)は、容疑者が起訴される前に国の費用で弁護士を依頼できる制度を悪用し、容疑者と面会した回数を20回以上水増しして報酬を実際より30万円あまり多く受け取った疑いが持たれていました。
弁護士を派遣する日本司法支援センター=いわゆる「法テラス」は、黒瀬弁護士本人からも事情を聞いて調査を進めていましたが、不正が確認できたうえ、制度の根幹にかかわりきわめて悪質だとして、詐欺の疑いで岡山県警察本部に告訴しました。
さらに、法テラスの処分としてはもっとも重い、3年間、国選弁護を受けられなくすることも決めました。
起訴される前の容疑者が国の費用で弁護士を依頼できる制度は、逮捕された直後にうその自白を強要されたりするのを防ぐため3年前に始まり、裁判員制度が始まることし5月からは対象事件が拡大され、これまでの10倍以上になるとみられています。
法テラスの岩瀬徹理事は会見で「国選弁護の制度は国の費用でまかなわれていて、厳正に対処しなくてはならない。今後は、弁護士に接見を裏付ける資料の提出を求めることも検討している」と話していました。
法テラスは今回の不祥事を機に、ほかにも不正な報酬の請求がないか調査を進めていて、年度内をめどに結果を明らかにしたいとしています。