●企業動向
|
|
ハイデル 乾燥促進印刷を実演 吉田印刷所で見学会
|
ハイデルベルグ・ジャパン(株)(本社・東京都品川区、山本幸平社長)は、6月7日、(株)吉田印刷所(本社・新潟県五泉市泉町1−4−16、吉田和久社長)で工場見学会を開催した。全国各地から100人を超える参加者を集めた今回の見学会では、今春に導入した常用最高回転速度1万8000回転を誇る4色印刷機「スピードマスターXL105‐4」とサーマルCTP「スープラセッター105」を使い、吉田印刷所が得意とする乾燥促進印刷の実演を行った。また、実演終了後にはホテル日航新潟に場所を移し、吉田印刷所の吉田社長による「4色カラー印刷の世界が変わる!片面4色印刷機で新しいビジネスモデルを確立」を演題とした講演を行った。 ◇ 実演を通して紹介された吉田印刷所のワークフローのポイントとして、極小ロットの仕事でも常時1万8000回転の超高速で印刷、乾燥促進印刷の実施で両面カラー印刷1000通しをわずか30分でこなす、CTPを印刷機のすぐ横に設置して印刷オペレーターがプレートオンデマンド機能で印刷機側から直接CTPへ出力指示を送って版の出力をする、という3点が挙げられる。 実演の主な流れとして、スピードマスターXL105‐4」の制御装置「CP2000センター」から、印刷オペレーターが直接「スープラセッター」にCTP出力の指示を送って四版を出力。その版を「スピードマスターXL105‐4」に装着し、毎時1万8000回転の最高速で8面付けされたA4判両面カラーのチラシを印刷した。表面印刷が終了後、1分も経たないうちにどんてん打ち返しで裏面印刷の準備に取り掛かった。吉田印刷所では、日頃からの細やかなメンテナンスと、水をぎりぎりまで絞る技術により可能となる乾燥促進印刷を得意としており、この技術で両面カラー印刷1000通しをわずか30分(本刷り時間は片面あたり3分強)で完成させるという驚異的なパフォーマンスを披露した。 この驚異的なパフォーマンスの裏には、吉田印刷所が取り組んでいる、生産性向上への追求と全体最適化がある。 まず「スピードマスターXL105‐4」については、常に最高速で稼働させることで本刷り時間の短縮を図っている。そして吉田印刷所が乾燥促進印刷に取り組んだ理由のひとつは、乾燥待ちがあると工程間のやりとりが煩雑になることから。その最適化を図るため、印刷機のメンテナンスを充分にし、水棒を親水性に保ち、新台と同じような状況を維持することで水をぎりぎりにまで絞った乾燥促進印刷を実現している。その乾燥促進印刷を行ったことにより、印刷面に吹きかけるパウダー量は通常の3分の1程度に抑えられるので、工場内のパウダー飛散量も大幅に減少した。 また、印刷機のすぐ横にCTP「スープラセッター」を設置できたのも、世界で唯一となる恒温装置を搭載したCTPであることから特別な製版ルームが必要ないことに加え、堅牢なWシャーシ構造により振動に関する問題をクリアできること、そして何よりパウダー飛散量が大幅に減少したことが大きな要因として挙げられる。 吉田印刷所では全体最適化への取り組みの流れの中で、「乾燥促進印刷の採用」→「工場内のパウダー飛散量の大幅減少」→「プレスサイドCTPの設置」という好循環を生んでいる。 また吉田印刷所では、生産面だけでなく環境面への配慮も進めており、富士フイルム製の現像レスプレート「ECO AND FREE SYSTEM ET‐S」を採用している。「ECO AND FREE SYSTEM ET‐S」は高感度なので他の現像レスプレートとは違い、CTP出力スピードが落ちないので、生産性維持と環境配慮の両立が図れる。 (日本印刷新聞 6月27日)
|
提供:
日本印刷新聞
株式会社日本印刷新聞社 本社:東京都中央区新富1−16−8
TEL:03-3553-5681
FAX:03-3553-5684
URL:http://www.nichiin.co.jp
|
|
|
|