オバマ米政権の発足を民主党は、米国と「対等のパートナーの形を求める大きなチャンス」(鳩山由紀夫幹事長)としている。沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の県外移設といった同党の政策の政権交代後の実現に向け、オバマ政権への働き掛けを強める方針だ。2月にも党幹部が団長を務める訪米団を派遣し、バイデン副大統領やクリントン次期国務長官ら要職者との会談を調整する。【佐藤丈一】
「県外移設を早急に実現する考え方をまとめるのが大事だ。将来的に県民負担が減少するための交渉を行う必要がある」
鳩山氏は21日、東京都内で記者団に普天間県外移設をオバマ政権に働き掛ける考えを示した。
民主党はオバマ氏の大統領選勝利直後から新政権関係者と水面下で接触を重ねてきた。昨年12月には東京都内で次期駐日米大使への起用が有力視されるジョセフ・ナイ元国防次官補らと党幹部が意見交換。在京外交ルートでの定期協議も始まっている。
普天間問題以外にも日米地位協定改定、インド洋での海上自衛隊による給油活動反対など、民主党が掲げる政策は交渉が難航することが必至で、「米国にけんかを売っているととられかねない」(外交安保系議員)ものばかりだ。小沢一郎代表は衆院選後に訪米する意向を持っており、早期にオバマ政権との関係を深めて党の政策への理解を求めていく考えだ。
毎日新聞 2009年1月22日 東京朝刊