――「VIVA JUDO」だけではなくて、もっとすそ野から掘り起こして。
國保 「VIVA JUDO」は柔道ですから、また競技が違うとは思いますけど、ピラミッドをつくるという意味ではそういうものができていかないといけないと思います。
――和術慧舟會やパンクラスなど、既存の団体に期待する部分もありますか。
國保 これはもう、あくまでも僕の希望でしかないですけど、今は修斗さんにしても交流をしながら試合をしてきたりするじゃないですか。それがもう少し、もっと一つになったならば、完全にアマチュアが一本化されるのかなっていう気はしますけど。当然、多少なりともルールが違うとか、求めるものが違っていたりとか、無理難題というところはあるかもしれないですけど、やっぱりそういうところがあって、初めて大きなイベントができるということだと思うんですよ。だから当然、そこを無視して通れないですし。
――ボクシングのように一本化された方が良いと思いますか。
國保 どうでしょうね。これもあくまで個人の見解でしかないですけれど、やっぱり一本化されるということは、ある意味いいとこだと思います。ただ野球もセ・リーグ、パ・リーグってあるように、2つくらい別々のものがあったほうが……。
――その方が切磋琢磨できる?
國保 できると思いますね。あっちはこうだけどこっちはこうだね、とか。そういう部分をファンの方たちは興味を持って観たり、語ったりしてくれるのかなと。でも、やっているほうはそんなに意識していないですけどね。自分たちがやるべきことをやっているだけだと思うんですけど。
――イベント性に目を向けると、今後は映像メディアとどのように関わっていこうと?
國保 もちろん、おつきあいしていきたいと思っています。
――旗揚げ戦でもPPVなど、協力体制が垣間見えましたが。
國保 そういった映像や地上波を含めたところで一つネックになってくるのは、格闘技全体がもう少し盛り上がってくれると……。
―― 地上波からすると、格闘技はすでに熱が冷めているジャンルと見なされてしまうのでしょうか。
國保 そういう傾向がないわけではない。この間のDREAMの8.9%という数字も、作っている人たちにも頑張ってくれと言いましたし、やっぱりそこがある意味引っ張ってくれないと。せっかく地上波というものを持っていてね、そこが引っ張ってくれなかったら……。極端に言って、あれが20%取れれば当然、格闘技に飛びついてくると思いますよ。ただ興味がないソフトなのかと言ったら、決してそんなことはない。
――難しい質問かもしれませんが、何が足りないと思いますか。
國保 何でしょうねぇ。
―― 一般大衆の目を引くために、最大限の努力はしているはず。ただ、やっぱり2、3年前のような感じではないですよね。
國保 一つには、次から次へとスターというものが出てきたと思うんです。そのスターというものが今すべてというか。当時のスターだった人が海外に行ってしまい、先ほども言ったように我々は我々でオギャーと生まれたばかりだと思うんです。外国人も日本人も……まあ、日本人の場合は日本に残ってくれていますけど、特に外国人に関してはもう一回スターを作らなきゃいけないんです。例えばヴァンダレイ・シウバ選手。ミルコ・クロコップ選手は最近日本に帰ってきていますけど、ヴァンダレイ選手にしてもアントニオ・ホドリゴノゲイラ選手にしても、もともと有名な選手というわけじゃないですか。
――日本で育ててアメリカに輸出された形ですからね。
國保 ということは、もう一回ノゲイラ選手を作ることもヴァンダレイを作ることも可能じゃないかと。じゃあ格闘技熱が2、3年前にあった時に、ヴァンダレイの最初の試合からきちんと見ている人がどれだけいたんだ? と。そう考えると、もう一度じっくり選手を作るべきだと思いますし、格闘技という単語を出した時に「行ってみたい!」という人はものすごく多いんですよ。もちろん年齢層によると思うんですけどね。そう思えばまだまだチャンスはある。そこをもう一回、足を運ばせるためにはどうしなければいけないのか。やっぱりいろいろなスターがいないとダメでしょうね。
――今、「こいつをスターにしたい」という意中の選手はいますか。
國保 本当に、全選手に期待していますよ。
――みんな化ける可能性秘めている。
國保 秘めていると思っているから出しているんです。今度の5月大会もね。面白い選手たちはいっぱいいますよ。
――期待しているのはホジャー選手だけではないということですね。
國保 そうですね。もしかしたら日本のファン、特にコア層はよく知っているかもしれないですけど、そうじゃない人にとってはホジャーもほかの選手も横一線かもしれないですし。ホジャーも含めたいろいろな選手たちにこれから期待をして。僕らが作るイベントじゃなくて、みんなで作るイベントなんだというところを、やっぱり出る選手一人ひとりに認識してもらえたら、戦極がまた違ったものになると思います。前回に関しては、そこの部分を非常に認識してもらえましたし、選手もそういう面で頑張ってもらったと思うんですよ。これから先もそれが続くように、僕らができることは何でもしていきたいですね。
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