――6月8日の「第三陣」も、すでに進行中ですか。
國保 まだこれからですが、実は今日、まさしくその第三陣の制作会議をやるんですよ。もう何回かやっているんですけどね。
――「宇宙」「和」、そして「光」に続き、また新たなテーマを設定する?
國保 そうですね。毎回、表立ったテーマとしては出していないんですが、そういうテーマを持ちながら作っていっています。
――日本の総合イベントでは、現在DREAMが最大のライバルと目されています。正直な話、DREAMを意識していますか。
國保 まったく観ないかといったらそんなことはないですけど、そんなに意識するところはないですね。自分たちがやるべきことを粛々とやるだけですから。向こうがトーナメントをやったから僕らもトーナメントをとか、そういうのはないですし。選手を見てもらえれば我々の83kgの階級もヘビー級も、トーナメントをやろうと思えばいくらでもできる。ただ、僕らは僕らなりの作り方をしていきたいと思っていますから。
――あえて追随はしないと。
國保 いずれそういうことが企画として持ち上がれば、もちろんトーナメントの可能性がゼロではないと思いますけど、今はトーナメントではないですよね。必然的に「この選手とこの選手でチャンピオン戦を戦ったらいいんじゃないかな」という流れが年末、年明けぐらいにはきっと出てくると思うんですよ。日本の中で、その階級で何試合か連勝した選手同士の戦いが、やっぱり観たいですからね。
――それを今作っている状態なんですね。
國保 本当はもったいないですよね。このあいだ出た選手も、各々が違う選手と戦ったらおそらく全員勝ってくる選手だと思うんです。ただ、まだできたばっかりでチャンピオンというものがないですから。少しでも早く、いい選手同士でチャンピオンシップができるように。とにかく早い段階でできればと。これからどんどん、どんどん、今出ている選手たちを知ってもらえれば、どんなにすごい選手が集まっているかが分かってもらえると思うんです。
――年間何大会を予定していますか。
國保 今年は5、6回になるのかなと。
――大晦日開催も可能性アリ?
國保 会場がどうなんでしょうね。
――会場が抑えられれば……。
國保 やりたいですねぇ。
――大晦日恒例の「Dynamite!!」と競合になっても?
國保 気にならないですねぇ。都内近郊で場所があるならば。
――今後、あちらと交流を持つ可能性はありますか。
國保 まだお互いのものを作るときなのかなぁと思っていますけど。我々は何か話があれば乗るつもりもありますし。ただ、先ほども言ったように、僕らもまだ自分たちで「らしさ」というものができていないし、DREAMさんはどうなるかわからないですけれども、僕らがまず「らしさ」というものを出してからかなとは思います。
――戦極らしさ……。たとえば、今の戦極を色で例えると?
國保 色というか物というか、まだ産声を上げたばかりの赤ちゃんかなと思いますけど、色でいうと何色ですかね? これからどんどん色を着けていかなきゃいけないところですから。ただ真っ白ではないと思うんですよ。今までの日本や世界における格闘技の歴史というものは、もちろん参考にはさせていただいているし、その意味ではゼロからのスタートではない。ある程度、土台のある中でのスタートですから、何色かは分からないけれどもだんだん色が着いていて、きっとその色は上からまだまだ描ける色だと思いますね。
――第二陣は何色を塗りたいですか。
國保 うーん、いろいろな色を塗るのか、どんどん同じ系統にしていくのか。僕一人が決めることじゃなくてファンの方、マスコミの方たちが誘導してくれるのかなと思っていますけどね。
――海外に目を移せば、今やアメリカがMMA大国。戦極もアメリカを意識していますか。
國保 意識するというか、アメリカに自分たちが出ていってできるという状況ではないと思います。当然、あれだけの資産家たちがボコボコ、ボコボコと大きな団体と大きなギャラを持ってやっているところに殴りこんで行く気はないですけど、「戦極」は向こうでの知名度もついてきたので、向こうの方たちも観られるような状況を作らないといけないなと思っていますよ。
――準備のほうも?
國保 今やっております。