――専門誌『格闘技通信』のインタビューでもキーワードとして「らしさ」をあげていたように記憶しています。今後も「戦極らしさ」を前面に押し出していこうと?
國保 もちろん出していきたいですし、我々が出すというよりも自然と出てくる部分だとも思いますし。選手たちが、ファンが、そしてマスコミの方々が、いろいろな形で「らしさ」というものを引き出してくれると思っています。
――あえて作り出すものではない?
國保 いや、作り出す必要も、もちろんあると思います。ただ、我々がいくら作ろうと思っても、それだけではなかなか生まれてこない。ですから、「らしさ」の一つとしては選手たちのリアルな戦い。これは本当に「戦極らしさ」そのものですから。
――旗揚げ戦のテーマである「宇宙」や「和」も引き続き踏襲しますか。
國保 そうですね。それプラス、第二陣では「光」というものをテーマとしています。これは初めて言うんですけれども。「光」といっても、ただ明るいとか、そういうわけではないですよ。
――「光」という発想は、どこから生まれたのですか。
國保 この間の反省点として、全体的にビジョンが暗かったとか、いくつかの反省材料があったんです。だったらそれを逆手に取って「光だ」と。
――横長のワイドビジョンは迫力もあってよかったと思いましたよ。
國保 1000インチのビジョンは、かつてないような大きさですよね。SLD方式は音楽のライブや格闘技イベントなど世界中で使われているものですけど、第二陣では、日本で初めてのSLDの使い方をしようと思っています。
――日本初ですか? ぜひうかがいたいですね。
國保 横に大きかったり、会場中を連動させたり、リングの上に置いたりと、いろいろな使い方があると思うんですけど、それらとはまた違う使い方です。
――謎かけのようですね。当日までに考えておきます(笑)。ビジョン一つ取っても新たな試みができるという点では、お仕事のやりがいや面白さは格別ではないですか。
國保 僕らもそうですし、スタッフも「今までやったことがないことをやりたい」という思いには並々ならぬものがあります。また、それを観てくれた人たちが「これ、初めて観るね!」って驚いてくれたり喜んでくれたら、それは制作サイドの喜びになるでしょうし。先ほども言いましたが、イベントではやっぱり試合の部分が一番の要ですけど、制作サイドの人間からすると試合に加担することはできない。だからこそ、それぞれの持ち場で精一杯できることをして選手たちをサポートしたいという感じですよね。
――あくまでも選手たちをサポートするための演出だと。
國保 もちろん。「演出ありきの試合」ではなく「試合ありきの演出」ですから。
――これまでいくつか反省点を挙げていただきましたが、ほかに挙げるとすると?
國保 音の問題であるとか、先ほど言った映像の問題であるとか、いくつかありますけど。もっと細かいことを言うと、会場にいる方たちに見えな部分だったりですね(笑)、そういう見えない中でバタバタとしたところもたくさんありますし、今はそういった一つひとつの声を拾っているところです。すべて変えられるかどうかわからないですけど、できる限り改善していきたい。反省会は異常なほどやってきていますからね。そこを活かしてやっていきたいと。競技運営の部分にしろ、演出の部分にしろ、大きな事故がなければいいというだけではなく、もっと円滑に、円満に、いろいろな方から指摘を受けないようなことができればいいなと。
中編 「勝負において生まれるものは、勝ち負け以外にもたくさんある」に続く。>>
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