――まずは3月5日、代々木第一体育館で開催された「戦極〜第一陣〜」について、お話をうかがいます。当日の大会開始前の心境は?
國保 平日開催だったのでどうかな、というのと、渋谷から近い代々木なので足を運びやすいのではないか。その50:50(フィフティ・フィフティ)の気持ちで。まあ、チケットの売れ具合はそんなに悪くなかったので、なんとかなるだろうとは思っていたんですけど。6時半開始で、6時半の時点でどれだけ入ってくれるのかなという心配もありましたが、8割がた入って下さったので平日にしては健闘したかなと。
――大会開始前に、少し胸を撫で下ろした?
國保 そうですね。6時の時点では少なかったですから。
――残り30分で、だいぶ気持ちが落ち着いてきたという。
國保 でも、その30分間もほかにやることがいっぱいあったんでね(苦笑)。入ってないな、あ、入ってきたな、ぐらいで。直前まで調整しなきゃいけないことがいっぱいありましたから。
――生みの苦しみではないですが、旗揚げということで小さなトラブルも少なくなかったと思います。
國保 そうですね。細かいところから……。まぁ大事故につながるようなことはなかったので、良かったかなと思っていますけど。
――ずばり、やって良かったですか。
國保 そうですね。関係者はもちろん、やっぱり選手たちが喜んでくれて。ファンの方も賛否両論の声があると思うんですけどね。事務所に連絡をしてきたり、ネットに書き込んでくれたり。まあ、期待の裏返しなのかなと思っていますし、純粋に「期待している」という声も多いですし。でも、本当に大きな事故もなく、無事に終わったことに関しては、良かったなと思っていますよ。
――観客層は大人が多かった気がします。PRIDEやHERO'Sと比べると、スーツ姿の男性が多く見かけました。
國保 やっぱり、平日で仕事帰りに来ているということだと思います。イベントはだいたい日曜日がほとんどですよね。僕にしても、日曜に何かを観に行く時はスーツで行かないですから(笑)。仕事帰りで家に帰っている時間もないでしょうし、5時、5時半ぐらいに仕事を終わらせて、飛んできてくれたのかもしれませんね。
――演出面については、どんなテーマやモチーフを設定したのですか。
國保 今回、制作チームのテーマになったのは、まず「宇宙」。ここは強い者が集いし場所であり、宇宙の一つとして生まれた空間であると。それと、日本から発信していくという意味で「和」。「宇宙」と「和」の二つをテーマに作っていこうというのがありましたね。
――自己採点は?
國保 事故もなく終わったことに関しては80点ぐらいだと思っていますけど、個人的には「ここをこうすればよかった」ということは、小さなところから大きなところまで含めるとたくさんあってですね。まあ、もっとやりたかったなっていうところばかりで。演出も含め、いろいろな部分で反省点は多かったですね。ある関係者の方も言っていましたけど、何十回やっても、終わるたびにホッとしているって。そういうのが実際のところだと思うんです。本当に何が起こるかわからないですから。