87年の朝日新聞阪神支局襲撃事件を巡り、「実行した」とする男性(65)の手記を掲載した週刊新潮の連載記事について、朝日新聞社は24日付朝刊で、犯行の「指示役」とされた元米国大使館職員の男性(54)が発行元の新潮社に「記事内容は事実に反する」として抗議したと報じた。
朝日新聞社によると、元職員は17日、同社に電子メールで連絡し、取材に実名を名乗った上で、「週刊新潮の記事で犯行の指示役に仕立てあげられた」と説明した。
23日に朝日新聞の記者を同行し、東京都新宿区の新潮社を訪れ、「手記はまったくの虚偽で、記事は事実に反する」と抗議し、訂正と謝罪を求めたという。
在日米国大使館によると、元職員は昨年4月まで同大使館に勤務しており、週刊新潮で指示があったと報じられた86年当時は在福岡米国領事館に勤務していたという。
毎日新聞 2009年2月24日 東京夕刊