大量破壊兵器開発転用可能な装置を北朝鮮に輸出しようとした疑いで貿易会社を家宅捜索
大量破壊兵器の開発に転用可能な装置を北朝鮮に輸出しようとした疑いがあるとして、神奈川県警は、東京・新宿区の貿易会社を家宅捜索した。
こうした中、打ち上げ準備が伝えられる北朝鮮のミサイル発射台の新たな画像を入手した。
26日、神奈川県警の捜査員たちが、東京・新宿区の貿易会社「東興貿易」など数カ所の家宅捜索に入った。
磁気測定装置という機器を無許可で第3国を経由し、北朝鮮に輸出しようとした外為法違反の疑いが持たれている。
河村官房長官は「この貨物は、大量破壊兵器の開発等に利用されるおそれがある」、「日本の安全保障にも直接影響を与える問題であってですね。やはり、これは極めて重大な問題であるというふうに認識をいたしております」と述べた。
大量破壊兵器開発と磁気測定装置、一体どんな関係があるのか、取材した。
埼玉・和光市の理化学研究所にある磁気測定装置は、箱型の装置とその上のモニターで構成されており、決して小さくはない機械だった。
理化学研究所の藤山茂樹博士は「新しい物質をこのように筒の中に入れて、この上のところから入れますと、この箱の中で解析をして、こちらのモニターに磁石の性質が現れるという装置です」と話した。
通常は、磁石の製造過程などで、磁気の正確さなどを測定するのに使われるという。
北朝鮮が、この機械をどう使おうと考えていたかについて、東京工業大学の澤田哲生助教は「ミサイルをですね。飛行中にうまく誘導してやらなきゃいけないと。その誘導装置に関連していると思います。その部品をより高精度に作るために、今回の磁気測定装置のようなものが使われるんじゃないかと考えます」と話した。
折しも北朝鮮は、ミサイルの発射をちらつかせていて、今回は「テポドン2号」が発射されるのではないかとみられている。
こうした中、25日に撮影された北朝鮮東部・舞水端里(ムスダンリ)のミサイル発射基地の新たな画像が公開された。
画像の発射塔のそばにミサイルの姿はまだないが、26日、一部の韓国紙は政府筋の話として、この施設に2008年から2009年にかけて、ミサイルに液体燃料を直接注入する地下施設が建設されたと伝えた。
この情報が確かならば、燃料の注入が外から見えないため、発射予測がさらに難しくなるという。
そしてその発射は、北朝鮮で選挙などが行われる3〜4月が濃厚との見方も出始めている。
(02/27 01:01)