・しばらくバリにいると、
　ある程度はいつもの日本にいるときと、
　ちがうことを考えたりします。
　
　今回のこの社員旅行の間に、
　ひとりでぼんやり考えていたのは、
　「最適解」とでも言うのかな、
　「いちばんいい答え」ということについてでした。
　
　ふだん、日本にいるときには、かなり多くの人が、
　「いちばんいい答え」というものが、
　ひとつだけある、と、思いこんでいる。
　野球の解説から、政治談義から、企業の方針から、
　芸能ニュースから、進路相談から‥‥何から何まで。
　必ずあるはずの「いちばんいい答え」が、
　見つかるまでは何もしないなんてこともある。
　他の人のやることが、「いちばんいい答え」じゃない、と
　強く批判することもしょっちゅうですよね。
　
　だけど、「いちばんいい答え」なんて、
　ほんとにあるのかよ、と思うんです。
　もともと、ぼくには
　そういうことを思う傾向がありました。
　で、今回バリに来てからは、
　かなり確信的に、「いちばんいい答え」というものを、
　信じないようにしようと考えはじめています。

　ものごとって、「動き」なんでね、
　瞬間瞬間を止めて吟味しても、しょうがないんですよね。
　「いちばんいい答え」が、
　次の瞬間からは、もう、腐りかけてることもある。
　「たいしたことのない答え」が、ふんばりとがんばりで、
　いい実を結ぶということもあるでしょう。
　
　そういう考えを、対案的にじゃなく、
　本気で、メインの考え方として採り入れられないかなぁ。
　なんてことを思いながら、空を見たり、樹木を見たり、
　乗組員たちの笑い顔を見たりしています。
　あぁ、もう、帰り支度をしなきゃならない‥‥。

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今日も、「ほぼ日」に来てくれて、ありがとうございます。