エムウェーブの地下倉庫に積み上げたまま使っていない床材 |
長野市北長池のエムウェーブの地下倉庫に、同市若里のビッグハットで使うために購入した床材500枚が1度も使われないまま保管され、市や両施設を運営する株式会社エムウェーブが扱いに頭を悩ませている。市包括外部監査人は有効利用を求めているが、特殊な物のため、使うことも売ることもままならない状況。市内部からも「無駄遣いと言われても仕方がない」との声が出ている。
床材はビッグハットでバスケットボールなどの球技や会議をする場合に備え、1998年の長野冬季五輪前の施設完成時に市が約1億5000万円で購入。全部敷き詰めると計千平方メートルのコートができる。ビッグハットに保管場所がないため、エムウェーブに置かれていた。
同社などによると、床材は木と金属でできており、1枚の重さは43キロ。敷き詰める順番が違うと不具合が生じるという。使う場合、人件費など設置経費だけで約200万円かかるうえ、運搬費も必要。五輪後に就任した土橋文行社長は「そんな割に合わない物は誰も使わないのではないか」と話す。
エムウェーブのフロアは約1万平方メートルあり、床材を使うには広過ぎる。市内には五輪に合わせて建設し、体育館として使っているホワイトリングなどがあるため、今後もビッグハットで球技が行われる機会はなさそうだ。
市包括外部監査人は、本年度の監査結果報告書・意見書で「計画性を持って備品を購入すべきだ」とし、「売却または有効利用を考えるべきだ」と指摘した。市観光課は「特殊な物なので売却するにも当てがない」としている。