自民、小沢氏の「在日米軍」発言を批判

　外交問題では自民党も黙っていません。小沢代表の在日アメリカ軍に関する今月２５日の発言を取り上げ、民主党に対する反撃の糸口にしています。

　小沢氏は２５日、在日アメリカ軍の再編問題について、こう語りました。

　「どうしても東南アジアには非常に不安定要因が大きいので、アメリカのプレゼンスは必要だと思います。おおむね（米海軍）第７艦隊の存在で十分じゃないかなと」（民主党　小沢一郎 代表、２５日）

　在日アメリカ軍のうち、海軍以外は削減可能との考えを示したのです。ただ、小沢氏の持論である「対等な日米同盟」をめざすという立場から、日本の防衛力強化を主張したとも受け取られかねず、民主党内からも困惑の声が出ていました。

　「日本の軍備力、軍事力を増強するという発想に立ったのではないと理解しています」（民主党　鳩山由紀夫 幹事長）

　小沢氏の発言に、さっそく自民党が噛み付きました。

　「第７艦隊だけいればいいという、誠に粗雑かつ乱暴な議論をよく民主党の代表が平気で言うねと」（自民党・町村派　町村信孝 会長）

　「民主党の中に昔の社会党というか極左勢力がいるんですね。その勢力がどうも小沢さんを支えているようだ」（自民党・古賀派　太田誠一 会長代行）

　「民主党政権が仮に実現するようなことがあると、我が国の安全保障は根底から覆されるということを予期せざるを得ないわけであります」（自民党・山崎派　山崎 拓 会長）

　このところ批判されるばかりだった自民党が、党内で主張が入り乱れる民主党の安保政策を、またとない攻撃材料ととらえた格好です。とは言っても、先の甘利大臣の「内閣改造発言」にも党内からの批判が収まりません。

　「改造がどうのこうの言うのは、それは総理がしかるべき人の意見を聞きながら決めたらいいことです」（自民党・津島派　津島雄二 会長）

　「国民は非常に賢明だから、妙なことは、やはり見抜かれてしまう」（自民党・伊吹派　伊吹文明 会長）

　２００９年度予算案は２７日に衆議院を通過する見通しで、麻生政権は１つヤマを越えたことになります。しかし、自民党が置かれた状況は、敵のエラー１つで形勢が逆転できるほど生易しいものではありません。（26日17:36）