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フェスティバルゲート:再入札、娯楽施設会社が落札--14億2000万円

 ◇13年6月再開

 大阪市の土地信託事業で経営破綻(はたん)した都市型遊園地「フェスティバルゲート」(浪速区)の土地・建物を売却するため、市は30日、2回目の条件付き一般競争入札を実施、娯楽施設運営企業が14億2000万円で落札した。事業開始から20年。再生計画の白紙化や入札の失敗を繰り返して迷走してきたが、ボウリング場などの複合施設として再スタートする見通しだ。【田中龍士】

 パチンコ店やボウリング場を全国展開するマルハン(京都市)だけが参加、落札した。予定価格8億3000万円は上回ったが1回目の落札額26億円を大幅に下回った。市は経営破綻時に200億円を負担したが、大半は回収できない。

 売却対象は土地約1万4000平方メートルと地上8階・地下1階の建物など。同社は2階建てに建て替えて、13年6月に再オープンさせる。総事業費55億円でスポーツとアミューズメントがテーマの複合型娯楽施設とする。趣向を凝らした大型の出入り口を設け、通天閣をもじって「ツーテン・ゲート」と称すほか、シミュレーションゴルフ施設なども整備するという。議会の議決を経て正式契約する。

 フェスティバルゲートは89年、市交通局の車庫跡地再開発として、市が土地を提供し信託銀行が建設・運営する土地信託事業で始めた。約500億円を投じ、ジェットコースターや映画館などの複合型娯楽施設として97年に開業。開業1年で831万人が入場し、全国のレジャー施設で東京ディズニーランドに次いだ。しかし、入場無料で収入は上がらないのに過大な警備費などで経費がかさみ、初年度から8億円余りの赤字。380億円の負債を抱えて04年に破綻、銀行が180億円、市が200億円を負担する調停が成立した。

 その後、オリックスなどによる再生事業がいったん決まったが、テナントの退店交渉が進まず白紙化。昨年2月に1回目の入札を実施して韓国系企業が落札したものの、やはりテナントの退店問題を理由に契約を結ばず、市と企業側の提訴合戦に発展した。市交通局は「破綻で地元に迷惑をかけ、改めて反省している。正直ホッとした」と話している。

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 ◆フェスティバルゲートを巡る動き◆

89年 大阪市交通局が「霞町車庫跡地」再開発計画の提案コンペを実施

    東洋・三井・中央・日本信託銀行連合体の提案を最優秀に選定

91年 期間30年の土地信託契約を締結

97年 「フェスティバルゲート」オープン

98年 1年間の入場者数831万人

    97年度決算で8億5000万円の赤字を計上

04年 簡裁の調停で、信託銀行の運営撤退が決定

    事業再生の提案コンペを実施

    オリックスなどの法人連合の提案を選定

    テナントの退店交渉が難航

05年 再生事業計画が白紙化し、事実上の2次破綻

07年 公共目的の利用案を公募するが「合格」なし

    売却のための条件付き一般競争入札を決定

08年 韓国系企業が落札するが、テナントの退店拒否を理由に契約を保留

    韓国系企業と市が互いに提訴

09年 再入札実施。娯楽施設運営企業が落札

毎日新聞 2009年1月30日 大阪夕刊

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