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【インタビュー】本木雅弘 気付けば「役」を超え… (3/4ページ)
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俳優のキャリアは25年。“個性派、芸術家肌”という印象が強いが、「実は役者という仕事に対し挑戦的ではありません。もっと意欲的であるべきなんでしょうが…」と苦笑する。「元来が面倒くさがりで放っとけばぐずぐずしている」とも。「でも何かを課せられると反発し、がんばってしまう。受け身だが、気付いたら役者の枠をはみ出している」と照れながら自己分析した。
大学相撲部員を演じた「シコふんじゃった。」では体重を増やし、まわし姿で奮闘した。「巌流島 GANRYUJIMA」では剣豪・宮本武蔵を演じ、壮絶な20人斬りのラストシーンの撮影のため、2カ月半に及ぶ殺陣の猛特訓に挑んだ。「おくりびと」では納棺師の仕事と並行し、チェロの練習に励んだ。撮影中も常にチェロを抱えて移動し、多くのスタッフが現場の片隅で自主トレしている彼の姿を目にしている。「悪戦苦闘の末、今ではチェロは趣味」と笑う。プレッシャーを力に変えるタイプと自覚している。
「どんなにがんばっても役者は“かけら”しか表現できない。それがもどかしい。でも、見る人に“かけら”からその奥深くにあるものを汲み取ってもらえたら…。それが救いですね」(文 戸津井康之)