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【ゆうゆうLife】向き合って 俳優、江守徹さん(64)(上) (3/3ページ)
3度目を経験するまで、禁酒ができませんでした。若いころは酔っぱらうと、家に帰るのを嫌がり、さんざんごねて周囲を困らせるなんてこともありました。
酔って周囲を困らせても、「それが持ち味」「天衣無縫」だなんて言われて甘やかされて。健康に対するまじめさが欠けていたのでしょう。いい気になっていたんです。人生に。本当にそう思う。あなどってた。それに気付いたことが一番です。反省しています。
再発は怖いです。だから、酒をやめたんです。好きなお酒をやめるのに、特に工夫したわけではない。恐ろしさだけ。命と引き換えだと思うからね。飲みたいですよ。そう思いますよ。もちろん。
打ち上げの席でも、お酒は出ます。前はそういうときに飲んだんです。今は打ち上げでも飲みません。飲みたいけど、我慢して飲みません。
脳梗塞に限れば、適度の飲酒は予防的に働くともいわれますが、脳出血を考えると、飲酒は控えた方がいい。
今は約2カ月に1度、検査を受けています。再発しないとは言い切れない。異常を感じたら本当に、すぐに病院に行った方がいいですよ。ぼくも、次は早く病院に行こうと思っています。
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【プロフィル】江守徹
えもり・とおる 本名、加藤徹夫。俳優、演出家。昭和19年1月、東京生まれ。37年、都立北園高校卒業後、文学座研究所に入所、41年に座員。紀伊国屋演劇賞個人賞や松尾芸能賞大賞など受賞。今年3月2〜11日、紀伊国屋サザンシアターで文学座公演「グレンギャリー・グレン ロス」の演出を手がける。