(cache) Web Magazine 格闘王国 - GCMコミュニケーション代表・久保豊喜、大いに語る(前編)
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GCMコミュニケーション代表・久保豊喜、大いに語る(前編)「僕にとって政治的な部分はあまり関係ない。柔軟な考えのもとにマッチメークしていく。それが格闘技人気を高める要因にもなる」
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(聞き手◎布施鋼治/2009.2.18 UP)

今年の格闘技界はどうなっていくのか? その糸口を見つけ出すため、2月28日に所沢市民体育館でビッグマッチを打つGCMコミュニケーションの久保豊喜代表に話を伺った。「その通り」。久保代表が相槌を打つたびに、インタビューは白熱していった。

――CAGE FORCEは、2月28日、埼玉県所沢市民体育館でスタートします。今年はどんな方針を立てているのですか?
久保 CAGE FORCEは2年間テレビ東京さんで放送していただきました。引き続き、今年もやらせていただきますが、今まで連続して開催したトーナメントである程度の評価は得たと思います。

――そうですね。
久保 チャンピオンベルトを獲ってもすぐ返上する人もいましたけどね(苦笑)。ただ、僕らは一部の他のプロモーションと違って、「他団体でやるならばウチのベルトは返上したらどう?」というスタンスはとらない。日本格闘技界でCAGE FORCEを頂点にするという考えは常識的に無理じゃないですか。

――ですね。
久保 少なくとも我々はそういう考え方はしていない。でも続けていく中で、ある程度固定したメンバーは揃ってきた。そうした中で今年はどうするかと考えたら、コツコツと真面目に地力をつけることも大事でしょう。でも、残念ながら真面目に格闘技だけを続けているだけでは人気は出ないし、大会としての規模も大きくならない。

――耳の痛い問題です。
久保 結局日本の土壌は、そういうところだと認識せざるをえない。だからといって格闘技という基本線をエンターテイメントの名のもとに崩してしまうこともできない。

トーナメントをやる必要はもうないでしょう ――そうなんですよ。エンターテイメントに傾きすぎると、いびつになってしまう。
久保 やっぱり(純粋な)格闘技だからこそできることもあるわけじゃないですか。CAGE FORCEではそういうことをやっていこうかなと思っています。例えば、ウチに上がっている選手にDREAMさんや戦極さんから「ウチに上がってくれないか」と声をかけられたら、結局個と個、思惑と思惑のぶつかり合いになる。でもそれで引き合いをしたって、それを持続する体力なんてどこのプロモーションにもない。トーナメントで彼らを束縛することは無益な悩みを産み出しかねないわけです。プロモーターとしても、選手としても悩んでしまう。選手によっては「いま、僕がDREAMや戦極に行ったら、不義理をしたことになるんじゃないか」と不安になってしまいますからね。だったら、我々は大会があるごとにマッチメークをしていった方がいいんじゃないか。そういう結論に至りました。

――つまり今年からはトーナメント主導ではなく、ワンマッチ主導になると?
久保 その通りです。トーナメントをやる必要はもうないでしょう。いま、ウチはランキング制を設けていない。将来的にどうするかといったら、それも未定。設けるかもしれないし、設けないかもしれない。ただ、ランキングがあるないは別として、闘うべき選手が闘うというスタイルがUFCにしても確立されているわけじゃないですか。プロモーターなりに理由づけできる試合が組まれていく。もっといえば、この一戦に勝った方がタイトルマッチに進めるとかファンだって見ていてわかるわけじゃないですか。わざわざプロモーターの方から言わなくてもね。

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