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Keep Crazy;shi3zの日記 RSSフィード

2009-02-25

テレビ朝日のプロデューサーさんからお詫びのメッセージを頂きました。

昨日の件で先方の関係者がはてブを見ていらしたらしく、今日、テレビ朝日の同番組プロデューサー氏から謝罪のメッセージを頂いた。


僕がなぜ気に触ったのかと言えば、そもそも昨日の依頼の場合、ざっと書くとこんな感じだったそうだ。ちなみに僕は直接電話を受けていない。



 「〜というわけで、"つれづれ"という単語はブログで良く使われているという根拠となる資料か証拠を教えて下さい」

 「え、それは正式な取材ですか?番組で取り上げて頂けたりするのでしょうか?」

 「いえ、取り上げるわけではありません。番組の構成上、証拠が欲しいんです。今日中に回答を下さい」


という依頼を受け、なぜか慌てて電話に出た社員は僕に電話をしてきて、かくかくしかじかと説明する。で、「調べる必要がありますか?返答は今日中に欲しいそうです」と。


その時の僕は、バルセロナから京都へ直行し、寒さと寝不足で言うことを聞かない身体をのぞみの指定席に埋め、来年度の会社の運命を決定するほど重要な案件の事業提案書を書いている最中だった。


その重要な時間にそれである。

暇なときなら適当に対応したかもしれない。

しかし、こちらにも都合というものがある。


なぜテレビ局だからという理由だけで、僕が他の案件を放置してそれに答えなければならないのか。

混乱して僕に電話をかけてきた社員にしても、マスコミからこんな高圧な扱いを受けたことはそれまでなかったので、困り果てて電話をしてきたのだ。



4年前、僕は知人に頼まれて「ウケるブログの書き方」なる記事を2005年の新聞にちょろっと寄稿しただけであって、本来ならば新聞社に問い合わせればしかるべき対応をするはずではないか。



そのうえ、こちら側になんのメリットもないのである。

番組告知されるメリット(それにしてもその番組の視聴率などは一切解らないが)もなく、ただ「こちとらテレビ局なんだからできるだけ早く対応せよ」、と横柄に言われたような気がして大変腹が立った、ということである。



今回はたまたまテレビ朝日だったが、こんな例は今に始まったことではない。


たとえば昔、某局も「急成長しているインターネット企業を取材したい」と取材にやってきて、実際には「インターネットを利用した脱税が横行している」というニュースの素材に使われただけだったり*1、予め貰っていたレジュメと全く無関係なことをインタビューされ、それを良いように編集して捏造されることなど日常茶飯事だったのだ。


だから僕はよほどのことがなければテレビのインタビューに出ないし、出たくない。


この時代は、なんというか、腹が立っても泣き寝入りするしかなかった。

そういうことをしても、こちらが抗議しない限り平然としている人が大マスコミには時々居られる。


しかし、こういう心ない人々のわずかな所行がマスコミ全体の評判を下げているのは大変残念なことだ。


さりとて、僕がテレビ朝日に直接電話したところで、なにが変わるだろうか。

僕はせいぜいクレーマーの一人として扱われて、自分の小さなプライドを守り、溜飲を下げるだけである。無意味なのだ。




だから今回は、いつものように泣き寝入りはしなかった。

とはいえ、はてなブックマークで多少炎上しようとも*2、この"のろし"は相手には届かないだろうとも思っていた。


せいぜいネットの片隅にひっそりと不愉快な思いをした哀れで怒りっぽい男が居る、という程度のことだ。


今回は運良く、それが届いたようである。


僕はテレビ朝日の番組で好きなものは沢山ある。

TricはDVDを全巻もってるし、ドラえもんを見てこの世界に入ったと言ってもいい。

21世紀で最も好きなドラマは特命係長只野仁だと思う。原作よりも面白い。

夜中寂しいときに付ける朝まで生テレビだって好きだ。



そのうえで、この対応はどうなのか、と憤ったのである。

こういう細かい「やだなー」を看過するのが世間一般の大人であり、立派な成人の採るべき行動であろうが、僕の子供じみた部分が、しかも京都から名古屋へ移動中の新幹線の中で「カッとなって」エントリを書く衝動を抑えきれなかった。



かつて我々、取材対象は、マスコミの思うがまま、切り刻まれるだけだった。

編集されない情報などひとつもない。


僕自身もメディアの仕事で糊口を凌いでいた時期があり、今もって尚、マスメディア各社はお客様でもある。


であるがしかし、どんな場合であれ、相手にメリットの無い取引を持ちかけるべきではない。それが社会人として、商人として最低限の礼儀だと思う。


なぜ人はテレビの取材に答えるのか。

それはその方がメリットがあるからだ。



今回の場合、メリットがないうえに、〆切が厳し過ぎる。

しかも、末端の人間に聞くべき話ではない。解るわけが無いのだ。


せめて書いた本人が捕まらないのならば、折り返し電話をお願いするか、メールするか(検索ちゃんなんだから)、別をあたるべきではないのか。



それでまああの台詞ね、「ググれ」って言いたくなりましたよ。っていうかたぶん言った。そのあとの二文字も含めて。独り言ですけどね。


あまりの横暴な要求に腹が立って、事業計画どころじゃなくなってしまった。

それで一時の溜飲を下げるために、かのエントリを書くに至ったのである。


あとで読み返してみると、我ながら恥ずかしい程怒りを直接ぶつけているので、このエントリそのものが非難されることも当然想定のうちだった。けれども、いつも泣き寝入りはするまい。


彼らは勝手にこちらの業務と無関係な電話を掛けて来て、しかも到底実現不可能な〆切を迫っているのである。四年前の記事に使った資料がたとえあったとして、覚えているわけがない。そんなに暇な人は、そもそもベンチャー企業なんかやってないのだ。



あとでTwitter経由で気づいたが、元ネタはKQZさんのエントリだった。

なぜblog: KQZ on authentic


検索ちゃんなんだから検索くらいしてから取材すべきではないだろうか。

麻生首相じゃないんだから、当然、僕は全知全能の神じゃない。聞く前に解るはずだ。自明なことを敢えて聞く意図はなんなのだ。

それともYahoo検索ではわからないのだろうか*3




そういうわけでテレビに関してはとても慎重に取材を受けることにしている。

事前に台本を渡されて、編集チェックもさせてくれるという条件でないと、引き受けない。

どんなウッカリ発言をしてしまうか解ったものではないからだ。

TOKYO MX * 千原ジュニアのシャインになりたい!

http://www.mxtv.co.jp/shain/

来月、この番組に出ることを引き受けたのは、そういう諸々の条件が全て満たされたからである。


iPhone行列に並んでいる頃、無数のテレビ、ラジオ、雑誌から取材依頼があったが、海外メディア以外全て断ったのは、そういう理由も大きい。


ただ、フジテレビさんだけは、一度引き受けておきながら営業部の猛反対にあってお断りする形になってしまって今でも申し訳なく思っている。




こういうエントリを書きたくはないが、徹夜でハイな状態なのと、テレビ朝日のプロデューサー氏から正式に謝罪があったことを書かないのはフェアでないと思い、書けなかった思いも含めて書きなぐった。


ネットも棄てたものじゃない。

たった300ブックマーク余でも、届くべき人には届くことがあるのだ。

*1:これは当時の広報部が厳重に抗議し、後にポジティブな内容の番組が作り直された

*2:もちろん、炎上することは最初から解っていた

*3:記事のあとでYahooの人に聞いたが、検索ちゃんはYahooの検索を使うらしい