漢字検定:協会が6億7千万円の豪邸購入 文科省調査

2009年1月29日 15時02分 更新:1月29日 16時37分

日本漢字能力検定協会が購入した南禅寺近くの邸宅の門=京都市左京区で2009年1月29日午前10時、広瀬登撮影
日本漢字能力検定協会が購入した南禅寺近くの邸宅の門=京都市左京区で2009年1月29日午前10時、広瀬登撮影

 公益法人としては不適切な多額の利益をあげていたとして問題になっている財団法人「日本漢字能力検定協会」(京都市下京区)が03年7月、約6億7000万円もする市内の邸宅を購入していたことが文部科学省への取材で分かった。同省は協会から「漢字資料館として使うため」と説明を受けたが、使用状況が不明瞭(ふめいりょう)だとして公益性の有無を調査している。

 文科省によると、邸宅は左京区の古刹(こさつ)・南禅寺近くの住宅街にあり、3969平方メートルの敷地に延べ床面積1348平方メートルの日本家屋が建っている。

 今月、外部からの指摘を受けて文科省が問い合わせたところ、協会は「重要な来客があった場合に本部ビルから資料の一部を移して展示している」と回答。しかし、京都市建築審査課によると、建築物の用途は住宅のままで変更されていないという。

 文科省は「協会の説明では、必要性や使用頻度が不明確。不適切に使用されたり、合理的な理由なく使用されていなければ公益性は認められず、改善を指導することになる」としている。また、協会が天竜寺(右京区)の塔頭(たっちゅう)に建てた石碑についても、公益法人の事業として認められるかどうか調べる方針。

 協会は「将来的に漢字資料館を建築する目的で所有している。長期的な計画で歴史的に重要な展示品を収集し、日本文化の発展に寄与する」とのコメントを出した。【木下武、広瀬登】

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