広島大学病院小児科医局の医師10人が今年度末で辞職することが24日、分かった。ほかに昨年9月から既に2人が辞職し、今年4月以降も1人が辞める見込み。10人以上の医師が辞めるのは異例。同医局は県内の病院に小児科医師を派遣しており、地域の医療体制に支障が懸念される。
広大によると、同医局には約130人の医師がおり、うち約100人を県内の公立と民間の30病院に派遣している。3月末で辞職するのは、広島市立舟入病院や呉共済病院に派遣した8人と、広大病院で勤務する2人の計10人。開業や、結婚に伴う県外への移転などが理由という。通常、年間の退職者は6~7人という。また、4月に後期研修医7人が入局する。
広大の小林正夫教授(小児科学)は「従来は4人を派遣していた地域へは3人に削減することで、新年度は対応できる」と説明。ただ「今回のようなペースで退職者が続けば各地域に派遣するのは難しくなる」という。
呉共済病院では、広大からの1人が3月末で辞職する。呉市や県、県医師会などは呉市の3病院で実施している小児科の夜間救急輪番制を存続させるべく医師の勤務態勢などについて検討している。【井上梢】
毎日新聞 2009年2月25日 地方版