前社長、「消費者は味分からない」リンゴ果汁偽装

 青森県弘前市のリンゴ加工会社「青森県果工」(現オノフーズ)によるリンゴ果汁偽装事件で、詐欺と不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで逮捕された前社長佐々木隆夫(61)=弘前市堅田5丁目=、元社長長内淳一(71)=同市小栗山=の両容疑者が弘前署の調べに対し、「消費者には味の違いが分からないと思った」などと供述していることが24日、分かった。

 調べでは、両容疑者は中国産リンゴ果汁などから製造した業務用果汁を「原産地青森県」と偽装表示。2006年2月―07年1月、東京の食品製造会社を通じて、全国32カ所の工場に計148トン納入し、代金計約5000万円をだまし取った疑い。

 県警によると、両容疑者は調べに対し「原材料の確保と製造コスト削減のため偽装した」と容疑を認めた上で、「中国産でも青森産でも、消費者には味の違いは分からないと思った」などと供述しているという。

 県警は両容疑者が詐取した総額は約1億2000万円に上る疑いがあるとみて裏付けを進め、容疑が固まり次第、追送検する方針。

◎「おわびしたい」/現社長が陳謝

 弘前市のリンゴ加工会社「青森県果工」(現オノフーズ)の偽装表示事件を受け、小野良仁社長(48)が24日、社内で記者会見し、「関係者に多大なご迷惑を掛け、おわびしたい」と陳謝した。

 オノフーズへの社名変更は昨年12月。リンゴジュースの製造は中止したままで、現在はリンゴのシロップ漬けだけを生産する状態が続く。小野社長は相談役に退いた佐々木隆夫容疑者(61)に代わって、昨年12月に就任したばかり。「急なことで動揺しているが、重大性を真摯(しんし)に受け止めている」と語った。

 社内に品質管理委員会をつくり、偽装再発を防ぐなど、「1日も早い信頼回復に向け、社員一同で頑張りたい」(小野社長)という。しかし、産地偽装問題で取引先から多額の損害賠償を迫られ、ジュースの製造再開も今秋以降になりそうで、地に落ちた評判を元に戻すには、まだまだ時間がかかりそうだ。
2009年02月25日水曜日

青森

社会



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