ぐんまの養殖マス類は刺身でも安心
ニジマスやヤマメ、イワナの新鮮なお刺身は、とっても美味しいものですが、なかには「えっ、マスの刺身って寄生虫がいるんじゃないの?」と顔をしかめる人もいます。食品衛生関係の本に「マスの生食はサナダムシ(広節裂頭条虫)の危険があるので避けましょう」などと書いてあったりするで、(マス類の刺身)=(サナダムシ恐い)という思いこみがあるのでしょう。
結論から言えば、淡水養殖のマス類は生で食べてもサナダムシを心配する必要は全くありません。
日本のサナダムシはヨーロッパの「広節裂頭条虫」とは別種であることが明らかになり、「日本海裂頭条虫」と名付けられています。日本海裂頭条虫は、これまでの研究で海でサケ科魚類に寄生することが分かりました。それを裏付けるように、淡水養殖のニジマスや河川のヤマメ(サクラマスの陸封型)をいくら調べてもサナダムシの幼虫を発見することはできません。しかし、海からのぼってきたサクラマスやカラフトマスを調べるとサナダムシの幼虫が見つかります。(1975年から1983年に行われたサクラマスとカラフトマスの調査では13.3~55.6%からサナダムシの幼虫が発見されています)。
海で生活したことのない淡水養殖のマス類はサナダムシに感染する機会がないため、生で食べてもサナダムシに感染する危険は全くないのです。
淡水養殖のマス類以外の魚種でも、養殖場では寄生虫の生活環が分断されるため、養殖魚に人に有害な寄生虫が発見されることは、まずありません。天然魚の生食はお勧めしませんが、養殖魚の刺身は安心して食べられます。
参考文献:図説人体寄生虫学(南山堂)、魚介類の感染症・寄生虫病(恒星社厚生閣)
群馬で養殖されたギンヒカリやヤマメの刺身はとっても美味しい♪
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