記事入力 : 2009/02/23 17:04:06
【コラム】繰り返されるKTX欠陥工事(下)
フックボルトにたまった水、計50cc
記者は12年前の1997年、KTXの第1期工事(ソウル-大邱間)における手抜き工事を取材したことがある。当時、構造物の安全性評価を専門とする米国の会社が手抜き工事を発見し、韓国の建設業界は恥をかいた。針金や紙、おがくずといった、工事現場で出た廃棄物が、コンクリートの中から相次いで発見され、さらに作業員たちが捨てた生ゴミまで見つかった。「無神経」と「無知」に起因する欠陥が大部分だった。
高架橋の上の路盤の内部に、ところどころ穴が開いているのも見つかったが、その原因は実にあきれるものだった。鉄筋を入れなかったために穴が開いたのではなく、鉄筋を必要以上に詰め込む設計になっていたため、生コンクリートが入っていく穴がなく、内部に穴が開いたというのだ。時速300キロで走るKTXの列車を支えるものだけに、丈夫なものにしなければならないにもかかわらず、設計技術が未熟だったため、鉄筋の量をむやみに多くしてしまった結果、このような事態になったというわけだ。この問題は、監理担当者たちが見ている前で鉄筋の量を減らすということで解決した。
KTXの建設事業は、建設業界だけではなく、国家の威信や面子がかかった大規模な国家的事業だ。来年末の全区間の開業を目標としており、今やゴール間近だ。ここまで来るには、さまざまな紆余(うよ)曲折もあった。第1期工事の際には、知識や経験が不足していた中で、きちんとした計画を立てず場当たり的に進めたため、手抜き工事が相次いで見つかり、設計の変更も余儀なくされ、膨大な額の追加費用の負担を強いられた。
手抜き工事はもうこりごりだ。これ以上、国民に冷や汗をかかせるようなあきれた事態が繰り返されないことを切に願う。
イ・ドンハン社会部長
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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