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取り違え医師、3割が複数受精卵移植 院長の注意後も

2009年2月25日14時13分

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 香川県立中央病院(高松市)で不妊治療を受けた女性に他人の受精卵を移植した可能性がある問題で、昨年4月以降、担当の川田清弥医師(61)が実施した移植の約3割で、複数の受精卵の移植をしていたことが同病院の調査でわかった。日本産科婦人科学会は昨年4月の会告(指針)で複数の移植を原則禁じている。

 同病院によると、川田医師は昨年4月以降83件の受精卵移植を実施。女性には「妊娠の可能性を高めるため」と説明し、3個を移植していた。松本祐蔵院長は取り違え問題の報告を受けた昨年10月31日、川田医師に「指針を守り、2個の移植はしないように」と口頭で注意。だが、その後も指針に抵触する治療が2件あったという。

 学会指針では35歳以上か2回以上続けて妊娠不成立の場合を除き、移植個数を「原則一つ」と定めている。

 不妊治療専門のIVF大阪クリニック(大阪府東大阪市)の福田愛作院長は「指針は法律のように拘束力はなく、ひとつの基準だ。不妊治療患者の希望は切実で、川田医師は指針を守る意識を失っていたのでは」と話した。

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