1999年02月25日
第478話「運命の大学受験Ⅹ」
テーマ:運命の大学受験高校生編非公開部分 及び 美沙最終章『天使の唄』が
電子書籍で閲覧が可能になりました~♪
こちからご覧くださいませ。
【外伝シリーズ】
浅井武勇伝 / さくら雪(美沙)
BGM(PC限定)
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「落ちました…
ダメだったんです…」
「………」
ただただ絶句だった。
分かってた。
今の静香の実力じゃ、
どう考えたって合格は難しいだろうって、
分かっていたはずだった。
リリィのことがなかったとしても、
順調に勉強が出来ていたとしても、
第1志望に合格できる可能性は…
半々…
いや、4割あればいいほうかもしれない。
ましてや、あんな事件があって、
大切なラストスパートの時期に1ヶ月近くも
勉強できなかったというハンデがあった以上、
おそらくこういう結果になるだろうことは
痛いほど分かっていたはずなのに…
それでも…
静香が不合格だということを聞かされて、
ショックを受ける自分がいた。
もしかしたら…
もしかしたらなんとかなるかもしれない…
自分のこととなると、どうしてこんなに
甘く考えてしまうんだろう。
裏切られた淡い期待。
塾講師のくせに…
実力不足の生徒が、高嶺の花の学校に挑戦して、
何度も痛い目にあってきたのを
死ぬほど見てきたというのに…
なにを夢みてきたんだろう…
果敢な挑戦なんかじゃなくて、
ただの無謀にすぎないことぐらい、
最初から分かっていたくせに…
なにを夢みてきたんだろう…
「明日は死ぬ気で頑張れ。
どんなことがあっても絶対合格しろ」
こんな言葉一つで、
静香が『奇跡』を起こしてくれるとでも思ってた?
俺は…
なんてバカなんだろう…
「ヒカルさん…」
呆然とするオッサンの耳に、
お母様からの呼びかけ。
「もしあの子から連絡あったら、
家に帰るように伝えてもらえますか?
これからBの合格発表もありますし…」
「あ、は、はい…
それはもちろん…」
と、返事をすると、
お母様は…
ホントに困った子よね…
と半ば呆れながら…
「あの子、今、携帯を切っちゃってて
全然つながらないんですよね。
ホントにどこいったんだか…」
何度も何度も大きなため息を繰り返していました。
俺は…
「そうですね…
どこに行ったのか心配ですね…」
と同調しながらも…
携帯の電源を切った彼女の気持ちが、
痛いほど分かった。
今は誰とも話したくない。
ただそれだけなんだろう…
最後に…
「ヒカルさんには、最後の最後まで迷惑ばかりかけて
申し訳ありませんでした…」
と、恐縮するお母様に、
俺が返せるのは…
「いえ、とんでもないです…
私のほうこそ、お役にたてませんでして、
本当に申し訳ありませんでした…」
謝罪することだけ。
迷惑をかけてきたのは、ずっと俺だった。
娘を心配するご両親に迷惑をかけぱなしだった俺が、
最後に出来ること。
それが合格させることだった。
それがせめての俺の誠意だって思ってきたけど、
それも…
今日ですべてが終わった。
「私のほうからも、ちょくちょく静香さんに
連絡いれてみますんで…
はい…はい…分かりました…
はい、それでは失礼します…」
電話を切ったあと…
早速、彼女の携帯に連絡を入れてみたんだけど…
お母様のおっしゃった通り…
「電源を切っているか、
電波の届かないところにいらっしゃいます」
とロボットとみたいな女性アナウンスが聞こえてくるだけで…
静香と連絡をとることは出来ませんでした。
その後、教室に戻ったあとも、
ちょくちょくトイレから電話してみたものの、
やっぱり静香とは連絡つかず。
15時にもつながらない。
18時にもつながらない。
21時にもつながらない。
22時。
やっと仕事が終わって、
家に帰りながら電話してみても
やっぱりつながらない。
ってヲイ…
さすがにこれはマジで
やばくねぇかっ?!
(゚Д゚≡゚Д゚)
18歳の女の子が22時になっても
家に帰ってこないとなると、
家出っていうか、
事件に巻き込まれた可能性だってあるんだぞ?
警察沙汰になったっておかしくないわけで…
ホントに…
あの野郎、マジでどこ行ってんだ…?
いや、どこ行ってたっていいけど…
頼むから変な事件にだけは
巻き込まれてくれるよなっ!!
頼むよ、ホントに…
そんな焦る思いに比例するように、
家路を急ぐ足もだんだん早くなっていくオッサン。
アパートにつくと、老体に鞭打って、
階段を2段とびにあがって…
ゼィゼィゼィ。
慣れないことをすると、死ぬぅ…
と息をきらしながら、
自分の部屋に急いだとき…
・・・・・・!!!
「あああああああああ
あああああ!!!」
俺の部屋のドアの前に…
体育すわりでちょこんと座っている…
少女を発見したわけであり…(汗)
し、し、し…
静香ちゃん…(汗)
こ、こんなとこにいたんデスか…(大汗)
ヽ(;´Д`)ノ
「お、お、お前…」
「えへへ、きちゃった~♪」
「バ、バカ野郎っ!!
来ちゃったじゃねぇ~っ!!!
ご両親がどんだけ心配してると思っ…」
興奮したオッサンが、
ご近所さまの迷惑を省みず大声を出そうとしたとき、
静香は…
いきなり立ち上がるや否や…
俺に抱きついてきて、
キスするもんだから…
「ブハッ!!」
慌てて唇を離して、
「お、おまえ、何しやが…「お願いっ!!今日泊めて」
( ゚з゚):;*.':;ぶっ
「ハァ~?!」
「お願い…
せんせぇの家に泊めてください…
一生のお願いです…」
次回も…
24時間期間限定公開です!!
お見逃しなくっ!!!
【問題】
「お、お前、なに考えてんの?!」
焦るオッサンがオロオロしながら言うと、
静香は…
「わ、私…」
ご協力お願いしま~す♪
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