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「新人監督なのに全カットの緻密な絵コンテを描いて持ってきてね〜。普通はキャメラマンの仕事だから風当たりが強くなるし…で、なかなかできないこと。あと、周囲がみーんなスポーツ紙とか週刊実話とか読んでる中で、金子監督だけは一般紙。我が道を行く──金子監督はまさにそんなタイプ」
一緒に登壇した製作スタッフの金子監督評。ちなみに日活で最も影響を受けた人物は、(当時は先輩助監督だった)那須博之監督で、日活で最も感動したのは「ウルトラセブン」の森次晃嗣が食堂でラーメンを食べる場面に遭遇した時だそう… |
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デビュー作「宇能鴻一郎の濡れて打つ」の即興コメンタリー! 金子監督の片手にはビデオのリモコン(コレで“濡れ場”シーンを自由自在に飛ばしまくり…)と、もう一方の手には古〜いノート。何かと思えば、20年以上も前の当時の製作日誌! 「えーとコレによりますと、11月9日に顔合わせで、12月1日にはシナリオの第一稿完成。でその後、21日にクランクインしてますね」恐るべし!金子監督。ちなみに同作は、製作費2000万円で70分前後の尺が通常のロマンポルノにあって、500万円&撮影期間6日&50分…という制限付きだったとか |
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「裸の女性が目の前にいるけど、何とも思わないんだよね、これが不思議と。それにロマンポルノは“天気待ち・フィルム待ち・前張り待ち”ってね」(写真左から)村石直人氏(撮影)、高橋伸行氏(製作)、芳田秀明(助監督)と金子監督とのトークは、まさに“R18”!とても書けません…。「アノ人は…ねちっこい性格だったね。嫌〜な監督だった(笑)。いや現場から離れるとイイ人なんだよ?作品はどれも面白いし…」とみなが口揃えるのは、ロマンポルノの名匠、K沼M氏。過酷な製作現場の裏話に花が咲く! |
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トーク終了後に、金子修介監督によるDVD&関連書籍のサイン即売会を実施! 昨年秋より発売元のジェネオン エンタテインメントより、150本ものロマンポルノ作品が連続リリースされている。興味がある人はココ(http://www.geneon-ent.co.jp/movie/roman/index.html)をチェック! 実はイベント取材に行くたびにDVDを購入してしまう筆者も…やっぱり↓ |
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「宇能鴻一郎の濡れて打つ」(3990円/ジェネオン エンタテインメント)買っちゃいました…。それも最後の1本で、金子監督のサイン入り(もちろん自腹購入)。ちなみに王道だが、筆者のロマンポルノ初体験は「赫い髪の女」で、ベスト1は「恋人たちは濡れた」という、どちらも名匠・神代辰巳監督作品。どちらかというとコミカルな映画は好みではないはずなのに…コレは面白い! “青い三角定規”ならぬ“暗い三角定規”や、“お蝶夫人”ならぬ“お蝶サマ”といった小ネタも笑えます! |
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今回は、ロマンポルノの書籍「愛の寓話」(写真/2100円/東京学参刊)発売記念イベントとして開催(全1133本の作品のデータあり、インタビューあり、貴重なポスタービジュアルあり…必読)。「ロマンポルノは単体で評価せずに、1133本全てひっくるめたプログラム・ピクチャーとして、その存在価値を考えてみてほしい」と語ってくれたのは、企画した東京学参・Pause編集部の内田達夫氏。最も好きな映画監督は名匠・小沼勝監督で、「生贄夫人」('74)「花芯の刺青 熟れた壷」('76)「さすらいの恋人 眩暈」('78)などがオススメとのこと |
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【金子修介 プロフィール】
1955年6月8日東京都台生まれ。東京学芸大学卒業、助監督として日活入社。助監督の職に就き、35本もの映画の現場を経験しつつ、(大学映研の先輩部員・押井守監督のツテで)TVアニメ「うる星やつら」「魔法の天使クリーミーマミ」などの脚本も手がける。監督デビュー作「宇野鴻一郎の濡れて打つ」('84)など、日活ロマンポルノ作品は全5本を担当。その後、深津絵里(当時のクレジットは水原里絵)主演の「1999年の夏休み」('88)で脚光を浴びると、「ガメラ」シリーズなど話題作を続々と輩出。近作に「あずみ2」('05)、「神の左手 悪魔の右手」('06)、「デスノート the Last name」(11月3日公開)など

>> 公式サイト |
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