精米後の鮮度維持に関する簡単な説明

氷結ミクロトーム裁断コシヒカリ玄米×201

写真は当社が玄米を裁断し観察しやすいように着色した顕微鏡写真です。

玄米の栽断面を大きく分けて果皮・種皮・糊粉層・デンプンと分けます
精米とは玄米の胚芽・果皮・種皮・糊粉層の一部を削り取る事です。

精米の劣化とは?

精米の鮮度劣化の最大の原因は酸化です、ではなぜ酸化により鮮度が急激に劣化
するのかを上記写真で説明します。

写真の透明な部分が糊粉層(脂質で着色できない部分)です。この糊粉層とデン
プンの境界部分はサブアリューロン層と呼ばれ内層の胚乳に比べ米の食味に関す
る各種、酵素やオリゴ糖・アミノ酸・タンパク顆粒・ミネラル(カルシュウム・
鉄・燐・マンガン・コバルト・硫黄などの無機栄養素)等が多く存在し、この部
分が炊飯時の香りや味覚などの美味しいと言われる大半を占めている部分です。
この層の脂質が酸化する事で脂肪酸となり精米の味を低下させます。

   ↓
この部分が一番美味しい部分でも有るが劣化も一番早い部分でもあるのです。

一般に精米したての米は香りも良く美味しいいが日数が経過すると糠臭く不味く
なると言われますが上記で説明したように糊粉層とその周辺層の酸化の度合いで
美味しいか不味いかが決まります。

精米直後に酸化を抑える事で長期間に渡り鮮度を維持する事が可能になります。
精米の鮮度維持には当社の窒素置換装置
米蔵を是非ご検討下さい。

現在、当社の窒素置換率は国内最高値を誇っています。
全自動型 KT−S5型(残存酸素1%以下)
手動型 KMO−62D型(残存酸素1.5%以下)

 

 

精米の鮮度を数値化する

精米の鮮度を数値化し表現するものであり旨みとは関係ありません。

精米に含まれている脂質は時間経過で徐々に脂肪酸へと分解されていきます、その 脂肪酸度( pH値)を計測する事で、容易に精米の鮮度を把握する事が出来ます。

当社の見解は 優 pH 6.8以上
          良 pH 6.7〜6.2
          可 pH 6.1以下

試験方法
純水 JIS純粋規格 A2〜A3(株式会社カトウケミカル工業用精製水
pH計測はpH試験紙でも可能です(アドバンテック東洋 BCP pH5.6-7.2)

200tのビーカーに精米50gを入れ、純水100tを加え攪拌棒で軽く5回ほど攪拌し 15分後に上澄みを計測します。

参考データー

試料1.
新潟、中越産コシヒカリ 6月中旬まで籾で常温保管、
6月中旬に籾摺し玄米で16℃保管  通常搗精

年月日
pH値
 
07-07-15
7.1
当社KT-S5で窒素パック
07-07-16
6.4
 
07-07-18
6.4
 
07-07-19
6.4
 
07-07-24
6.0
 
07-07-31
6.0
 
07-08-06
5.8
窒素パックを開封し計測 pH6.9
07-08-15
5.6
 

窒素パックはpH値が搗精時と殆ど変わりません。

 

試料2.
新潟コシヒカリ玄米15℃保管 精米の旨みを多く残す為に八分搗で搗精

年月日
pH値
07-07-13
6.9
07-07-14
6.8
07-07-16
6.0
07-08-15
5.6

旨みを多く残す事でより酸化が促進されます。

 

試料3.
2007年2月1日 北海道、空知支庁管内ナナツボシを通常搗精
2007年2月2日当社KT−S5で窒素パック
2007年8月2日 窒素パックを開封しpH計測 pH6.8

 

高温にも強い窒素置換パック

高温でも当社の窒素置換した商品は殆ど鮮度落ちはありません。


恒温槽30℃期間22日の官能検査、試験結果(検査員14名)

対象区 バリア性米袋に含気包装で5℃保管

試験区 バリア性米袋に窒素置換し30℃保管

試料
1
2
3
総合評価
0.071
-0.071
0.015
外観
0
0
0.1017
香り
0.179
-0.179
-0.071
旨み
0.107
0
0.071
粘り
-0.071
-0.036
0.107
硬さ
0.143
-0.036
-0.357

 

恒温槽30℃期間26日の官能検査、試験結果(検査員14名)

対象区 バリア性米袋に窒素置換で5℃保管

試験区 バリア性米袋に窒素置換し30℃保管

試料
1
2
3
総合評価
-0.134
-0.053
0.015
外観
0.038
0.153
0.115
香り
-0.115
-0.038
-0.153
旨み
-0.076
-0.038
-0.038
粘り
-0.038
-0.307
-0.115
硬さ
-0.230
-0.053
0.115

使用した米袋はクリロン化成株式会社 製品名 ハイラミナNVL

酸素透過度(JISK 7126) cm3/m2・24h ( 23℃、65RH%) 
物性値(100μ)2.4