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年収1000万円!? プロ紙芝居師は高収入のワケ

不況でこそ活躍

 派遣切りや企業の倒産が相次ぐなか、「紙芝居師」という職業が注目されている。かつて5万人はいたというプロの紙芝居師も、いまや全国で数えるほどに。その一方で、昭和のレトロ感を求める公演依頼が増えており、独立採算制で高収入も夢ではないという。京都を中心に40年近く活動し、年収1000万円以上を稼ぎ出す紙芝居師、安野侑志さん(65)に、その魅力を聞いた。

 「定年もなく、楽しみながら子供らにも喜んでもらえる。不況のときこそ活躍できる仕事です」

 こう話す安野さんは山形県出身で、1972年に紙芝居業者の免許(現在は廃止)を取得。80年から専業となり、弟子4人とともに「ヤッサン一座」として、京都国際マンガミュージアム(京都市)など全国で活動している。

 2003年までは年収500万−600万円だったが、転機は04年に訪れた。学校の週5日制が定着し、文部科学省や市町村教委の支援を受けながら、毎週土曜日に町内会や地域の行事で紙芝居を行うようになり、それにつれて収入もアップ。それまでは5万−10万円だった1件の公演料が20万円に急増し、いまは30万円に達している。

 「(04年は)文科省の“お墨付き”をもらい信用を得られたことと、それまでボランティアと思われていた紙芝居師という仕事がビジネスとして認識された年だった」と安野さん。

 町内会や子供会が出せる予算は1回5万円が限界だが、企業には販促イベントにもなり、20万−30万円という公演料は売れっ子芸能人へのギャラと比べれば決して高くはないという。「実際、これまでに多数の企業のイベントに出演しているが、恐る恐る『30万円なのですが』と切り出しても、二つ返事でOKが出るケースがほとんどでした」

 1回の語りは通常15−30分。語りが複数回に及んだり準備や後片付けなどで、会場での一日仕事になることは多いが、「体力的にしんどいとはまったく感じない」。

 大きなイベントでなくても、1件3万円前後の公演ならば全国各地で引く手あまたといい、安野さんは「初心者でもこまめに営業すれば、年収1000万円も目指せる」と太鼓判を押す。

 安野さんらは後継者育成と雇用創出を目的に、プロの紙芝居師養成のためのオーディションを3月11日、大阪市北区の天神橋筋商店街にある「天三おかげ館」で行う。問い合わせは、漫画家学会大阪営業所(TEL06・6539・9211)。

ZAKZAK 2009/02/24

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