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米、安保政策で牽制 麻生首相「招待」…小沢民主への「不信」 (1/2ページ)
オバマ米大統領はホワイトハウスへの最初の外国来賓として麻生太郎首相を招いた。小泉、安倍の両政権で外相を務めた麻生首相は米共和党に太いパイプを持つが、米民主党とは疎遠だ。にもかかわらず、オバマ大統領が古くからの同盟国である英国を差し置き、支持率低迷にあえぐ麻生首相を招待した真意はどこにあるのか。麻生首相を最重要のパートナーとして国内外に紹介するとともに、安全保障政策の見えにくい日本の民主党に「不信」のメッセージを送ったようだ。
「首相はオバマ米大統領と会談するそうですね。われわれも歓迎します」
20日午前、麻生首相と会談した日英21世紀委員会座長のカニンガム上院議員は嫌みっぽく語った。それほど日米首脳会談の早期実現は英国紳士のプライドを傷つけたのだ。
実は麻生首相にとっても一般教書演説直前の訪米要請は「寝耳に水」だった。オバマ大統領が就任後、首相との電話会談に応じたのは1月29日で、英仏独豪どころか、中東諸国より後だった。政府内では「やはり米民主党の日本軽視は変わっていない」(政府高官)と失望感が広がり、4月にロンドンで開かれる金融サミットまでに首脳会談が実現できれば「上出来」とささやかれていた。
だが、政権の主要人事も固まっていない段階で麻生首相を招待したのは「経済危機を克服するためのパートナーは世界第2位の経済大国である日本しかない」との判断があったようだ。
オバマ大統領が日本重視に傾いたのは、元海兵隊大将で沖縄駐留経験もあるジェームス・ジョーンズ大統領補佐官(安全保障担当)や、知日家で次期国務次官補(東アジア・太平洋担当)に指名されるとみられるカート・キャンベル元国防副次官補も大きな役割を果たしたとされる。
ただ、彼らは麻生政権を積極的に評価しているわけではなく、「小沢一郎代表が率いる民主党への懸念の裏返しだ」(政府高官)との見方が強い。