【ソウル24日聯合ニュース】ウォンの対ドル、対円為替相場の急落で、輸入企業や外貨負債の多い企業が非常事態に追い込まれている。多くの大企業が、今年の対ドルのウォン相場を年平均1ドル=1200ウォン程度と見通し経営戦略を立てており、為替相場の動きに神経をとがらせている。
為替相場は最近1ドル=1480〜1500ウォンまで急落、対円相場も1991年に告示為替の集計が始まって以来初めて100円=1600ウォン台に下がった。航空会社など一部の企業では、ウォン急落で今年度の業績赤字の可能性も排除できない状況だ。また、円建て融資を受けたり通貨オプション商品などに投資した輸出企業ではウォン安により雪だるま式に膨らむ損失に苦しんでいる。
金融界と産業界が24日に明らかにしたところによると、今月に入り世界の金融市場で不安が高まりウォンが急落すると同時に、航空や精油、化学、鉄鋼、金属、飲食料品などの業種に赤信号がともった。これら業種は外貨借り入れが多かったり原材料を主に輸入に頼っているため、ウォンの価値が下がれば損失が拡大するため。
ウリィ投資証券が今年純利益の推定値を基準にウォン相場が1ドル=100ウォン下落した場合の利益の敏感度を分析したところ、航空運送業種の純利益は赤字に転落するとの結果が出た。海上運送は22%、精油は16%、鉄鋼・金属は10%、飲食料品・たばこは2%、衣料は2%程度、それぞれ純利益が減少する見通しだ。
航空会社は航空機購入などで大規模な外貨負債があるため、ウォンが下落すればそれだけ外貨換算損失を被ることになる。大韓航空とアシアナ航空は今年のウォン相場を1ドル=1200ウォンと予想していた。他の条件は変わらないとしてウォンが100ウォン下落した場合、大韓航空の営業利益は1500億ウォン(約93億5800万円)減り、外貨換算損失額は5210億ウォン発生する計算になる。同じくアシアナの純利益は81.6%減少する見通しだ。
精油業界もまた、ウォン下落に泣きっ面だ。原油輸入によるドル負債が余りに大きく、利益が為替差損に食われているのが実情。ウォンが100ウォン下がれば、SKエナジーとS−Oilの純利益はそれぞれ19%と21%減少すると推定される。原材料のほとんどを輸入に頼る食品業界も同様だ。通常は100ウォンのウォン安で1000億ウォンの為替差損を被るため、当初の為替見通し(1ドル=1200ウォン)に比べると3000億ウォン程度の損失が発生すると分析された。
一方、大企業だけでなく、円建て融資を受ける中小企業もウォン下落に悲鳴を上げている。為替差損に加え融資金利の急騰と、二重苦にあえいでいる状況だ。政府は円建て融資の金利が1%上がると、利子負担は2300億ウォン増えるものとみている。
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