自民党の自滅が目前に迫り小沢氏の高笑いが止まらない? [ 拡大 ]
民主党が審議中の2009年度予算案の週内衆院通過を突然容認した。「意図的な引き延ばしはしない」(山岡賢次国会対策委員長)と宣言し、これまでの徹底抵抗路線を修正したわけだ。これで09年度予算は年度内に成立する見通しとなったが、実は裏で民主党による「自民党自滅作戦」がひそかに展開されている。
民主党が予算案の週内衆院通過を容認した理由は、自民党内で「麻生離れ」が急速に進む中、これ以上審議を引き延ばせば世論の批判が民主党に向きかねず、得策でないと判断したからだ。
民主党国対関係者は民主党の作戦の詳細をこう解説する。
「自民党を攻撃し続けると、小沢アレルギーが強い同党が一致結束して野党批判で固まってしまう。それより、予算通過で与野党の対立軸をなくして自民党内の混乱を助長した方が、同党や麻生内閣の支持率を効率よく下げさせることができるんですよ。予算執行に必要な関連法案の3月中の参院採決も間違いないでしょう。いずれにせよ、支持率が低いくせにプライドの高い麻生首相に解散に踏み切ってもらえれば、ラッキーなんですが」
民主党は、09年度予算が執行できる段階になれば、自民党内で麻生首相に退陣を求める動きが一気に噴出するとみており、政府・自民党が、麻生首相を辞めさせるか、解散するかという二者択一に迫られると踏んでいるのだ。
岡田克也副代表も23日、支持率低迷にあえぐ麻生政権について、「麻生首相は春に衆院を解散する力も、秋まで政権を維持する力もない」と述べ、麻生首相が09年度予算案可決直後に退陣し、新首相により4月の衆院解散と5月の総選挙が実施されるとの見通しを示した。
ただ、民主党内には自民の内部分裂を誘発することで、「早期解散」を実現させなくてはならない事情もある。
小沢氏は今年に入り昨年と同様に、鳥取県米子市など次期衆院選の新人候補らの選挙区に入る“抜き打ち”視察を相次いで実施した。「政局が不安定だから、衆院解散がいつあってもおかしくない」などとハッパをかけた。
その後も「2009年度予算が成立すれば、衆院解散を求める世論が大きくなる。4月以降の解散があり得る」とあおり続け、1月末には「予算が成立した3月に解散、そして4月に総選挙ということは間違いのない事実だ」とまで述べているのだ。
それだけに、こうした年中臨戦モードを強いる小沢戦略に、党内議員からは心配する声が上がっているのも事実。
民主党若手議員の1人は「小沢氏は『衆院選は間もなくだ』と言い続け、もう2年間も経過してしまった。もちろん、常在戦場の心持ちは大切だが、自民に比べ、金銭的余裕や地盤の力が足りない民主候補は、もうヘトヘトですよ。これで4月に選挙がなければ、『どうなってるんだ』ということになり、小沢氏の求心力も落ちかねない」
果たして、「自民党自滅作戦」は成功するか。