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医師不足:安心できる小児医療を 山鹿・植木地域の母親たち、初会合 /熊本

 ◇「考える会」結成へ一歩

 市立病院の常勤小児医が不在となるなど小児医療が危機的状況にある山鹿・植木地域の母親たちが、山鹿市で初めての会合を開き、「山鹿・植木の地域医療を考える会(仮称)」結成へ一歩を踏み出した。

 地方での医師不足が続く中、山鹿市立病院の小児科は07年8月から常勤医が不在となり、熊大病院から派遣された非常勤医による週2回の診察となった。また、植木町立病院には小児科がない。このため、夜間救急などでは母親たちは、熊本市や玉名市まで急患の子どもたちを連れていかなければならず、不安が広がっていた。

 こうした中、行政と鹿本郡市医師会が「山鹿・植木小児救急地域医師研修事業協議会」(上塚高弘会長)を組織。医師への小児医療研修のほか、今回、母親たちが立ち上がるきっかけとなった講演会を開催した。「地域に守られた兵庫県立柏原病院小児科からのメッセージ」で、昨年暮れ、八千代座で開いた。

 柏原病院では07年4月、小児科閉鎖の危機に直面し、現状を知った母親たちが「小児科を守る会」を結成。特に軽症でも安易に救急外来を利用する「コンビニ受診を控えよう」と住民に呼びかけ、夜間の小児科受診数が半減した。こうした母親たちの活動に興味を持った医師が勤務を希望し、現在小児科医は5人に増えた--。この経緯を同病院小児科医長が講演した。

 講演会には母親たちや医師ら約350人が参加。アンケートにも積極的に答え、中でも「住民と医療関係者が一体となった会結成への参加を呼びかけたところ、世話人になってもいいというお母さんたちが30人以上もいた。医療崩壊への危機感の裏返しだろうが、驚いた」(上塚会長)という。

 この反響を受け、上塚会長らが母親たちに結成を呼びかけた。19日の初会合には、医師や医療従事者、行政関係者と母親たち約25人が集まった。母親たちからは崩壊している小児救急医療に対する不安と安心できる地域医療を望む声が出され、今後、さらに輪を広げるための会合を開くことを確認した。【西東靖博】

毎日新聞 2009年2月24日 地方版

 
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