岡山放送局

2009年2月24日 18時58分更新

イラク派遣裁判訴え退ける


自衛隊のイラク派遣は憲法に違反するとして、岡山県の市民グループなどが国に派遣の中止などを求めていた裁判で岡山地方裁判所は24日、原告の訴えを退ける判決を言い渡しました。

この裁判は岡山県の市民グループのメンバーなどおよそ150人が「自衛隊のイラク派遣は憲法9条に違反している」などとして、国に派遣の中止や、派遣によって精神的な苦痛を受けたとして、原告1人あたり1万円の慰謝料を支払うよう求めていたものです。

24日の判決で、岡山地方裁判所の近下秀明裁判長は「派遣によって現実に生命や身体の安全が危険にさらされたわけではなく損害賠償を認めるまでの侵害が生じたとはいえない。このため、憲法に違反しているかどうかについて裁判所は判断しないのが相当である」と述べて、自衛隊の派遣が憲法に違反するかどうかの判断は示さず原告の訴えを退けました。

これについて原告は、「主張が認められず残念だ。裁判所には憲法に違反しているどうか判断することが認められているのに、それをしなかったのは大変、不満だ。」と述べました。

一方、防衛省は「国の主張が認められる判決で大変、評価している。」というコメントを出しました。

自衛隊のイラクへの派遣をめぐっては去年4月、名古屋高等裁判所が、航空自衛隊が現地で行っていた空輸活動は憲法に違反するという判断を示しています。