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PEACE BED: THE U.S. VS JOHN LENNON
2009-02-23 21:33:08

小谷野敦(とん)を反面教師にしよう

テーマ:有名人関連
【敦】(トン)あつい。ずっしりと安定している。重厚な。

最近、ペンネームの読みを本名の「あつし」から「とん」に変えた小谷野さん。だけど立派な名前に似合わず、これほど厚みのない人も珍しい。

著書『禁煙ファシズムと戦う』。
「本気で戦うから本気でかかって来い!」「禁煙ファシズム闘争宣言」じゃなかったっけ。たとえそれが商業的なキャッチフレーズだとしても、それなりの覚悟があって世に持論を問うたのだと思っていたんだけどな。

(『禁煙ファシズムと戦う』 25ページ)
 非学問的な「受動喫煙」被害
 反煙草キャンペーンのために動員されており、WHOも採用しているのは、喫煙は当人だけでなく周囲の人々の「受動喫煙」によって健康に被害を与えるという尤もらしい言説で、それを証明した研究もあるという。ところが外国の論文を見ても、それが論拠としているのは日本の平山雄(故人)の研究、平山疫学で、ところがこれはかねてから胡散臭いと言われており、確認しようとして元データを見せてくれと言うと、「非喫煙者以外には見せない」と、その弟子筋の者たちが言うそうで、これがインチキであることはほぼ明らかにされているが、WHOもマスコミも、そのことには触れようとしない。

(同書・序文、4ページ)
 しかし、彼らの主張の根拠として挙げられるのは、彼らが「受動喫煙」と呼ぶ、環境内たばこ煙は他人の健康にも被害を及ぼすというテーゼだが、そのおおもととなり、外国の研究でも真っ先に参照される故・平山雄の疫学研究は、今ではインチキであることがほぼ明らかになっている。

以上2箇所の引用は、正真正銘、小谷野さん自身が書いた文章だ。
ここでは、小谷野さんは「受動喫煙」の健康被害が平山雄博士の研究に基づくのだと主張していることがわかる。

さて、この小谷野さん、実は、平山博士の論文を読んだこともなければ、論文が存在するのかどうかすら知らなかった。 これにはビックリ。
さらに突っ込んで質問したら、この部分は共著者の斎藤貴男の担当だとかなんとか言い出した。いや、別に斎藤さんに助け船を出してもらっても全然オッケーなんだけど。でも、自分で書いたことぐらい自分で責任持とうよ。

では、簡単に解説。
平山論文というのは、日本の平山雄(たけし)博士が1981年、BMJ(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)誌に発表した論文のこと。受動喫煙と肺がんとの関係を指摘した世界初の論文。ネットで検索すれば世界中誰でもすぐに読める。(小谷野さんは知らなかった)
Non-smoking wives of heavy smokers have a higher risk of lung cancer: a study from Japan

これは、91,540人の非喫煙者の既婚女性を14年間追いかけるという、非常に大規模な調査だった。
その中で、14年間の調査期間中に肺がんで亡くなったのは174人。その内訳を調べると、喫煙者の夫を持つ女性の方が死亡率が高かったということ。

ここでよく考えてみよう。
大掛かりな調査を行ったとはいえ、得られたサンプルはたかだか174人。
素人目に見ても、この論文単独で受動喫煙と肺がんとの因果関係が立証されるとは思えないだろう。
この平山論文は受動喫煙と肺がんとが関係するという大まかな方向性を示したものと見なすべき。それがごくオーソドックスな考えである。

平山論文で示された因果関係は、その後の多くの調査によって裏付けられることになる。
11年後、1992年の米国環境保護庁(US-EPA)の報告書では、世界中で行われた30件の疫学調査をレビューし、米国において、受動喫煙が非喫煙者の肺がんリスクを20%高めているとの結論に達し、環境たばこ煙を「ヒトにがんをおこすことが確証された物質(=Aグループ発がん性物質)」と認定した。
このあたりについては、厚生労働省編『喫煙と健康』にも詳しく説明が載っている。(小谷野さんは恐らくこの基本資料すら読んでいない)

さて、その後も数々の研究が行われ、2006年には「受動喫煙が健康にもたらす影響:米国公衆衛生長官報告」として「6つの主要な結論」が発表 された。

(1)
タバコ規制が大きく進歩したにもかかわらず、今もなお、子供と成人あわせて何百万人ものアメリカ人が家庭や職場で副流煙にさらされている。
(2)
受動喫煙はタバコを吸わない子供と大人にとって、病気や早死にの原因になる。
(3)
子供が副流煙にさらされると、乳幼児突然死症候群(SIDS)、急性呼吸器感染症、耳の疾患、重度の喘息になるリスクが高まる。両親の喫煙は子供の呼吸器症状の原因となる。また子供の肺の成長を送らせる。
(4)
成人でも副流煙にさらされると、ただちに心臓血管系への悪影響が生じる。また冠状動脈性心臓病(CHD)や肺がんの原因にもなる。
(5)
科学的証拠にしたがうなら、副流煙には安全だといえるレベルはない。
(6)
屋内スペースを完全禁煙にすれば、非喫煙者を副流煙から守ることができる。喫煙者と非喫煙者の分煙、空気清浄機、ビルの換気では、非喫煙者の受動喫煙をなくすことはできない。

ちなみに、この報告書全体は700ページにも及ぶ膨大なもの   だが、「hirayama」という名前はどこにも登場しない。

平山博士の研究は、受動喫煙と病気(肺がん)の関係を最初に指摘した画期的な研究だった。だけど、受動喫煙の健康被害が平山博士の研究に基づいているわけではないことは、これで十分わかるだろう。
今となっては、膨大な研究の中から平山博士の研究をすべて取りさったところで、受動喫煙の健康被害の証拠が揺らぐことはないわけだ。

ここでもう一度、この記事の最初に引用した、『禁煙ファシズムと戦う』の主張を見てほしい。
小谷野さんがどれだけデタラメな発言をしているか、もはや明白だろう。
彼は基礎資料を調べることもなく、どこかの喫煙擁護本の受け売りで(たぶん)、「受動喫煙の健康被害はインチキだ」と繰り返し主張していたってわけ。ああ、恥ずかしい。

君子は豹変す。過ちがあれば改める。それが潔い態度だ。
だけど、小谷野さんはそれができない。
自分の間違いを潔く認められないのは、言論人として最も恥ずべき行為だと思う。

小谷野さん。せっかくの立派な名前だけど、あなた、どう見たって「敦」(とん)という器じゃないですよ。これからは「遁」(とん)を名乗ってみてははいかがでしょう。

【遁】(とん)
のがれる。にげる。あざむく。

【小谷野遁(とん)】
真実から逃げてばかりのインチキ文化人。

小谷野さん、お似合いですよ。

この記事を読んでくださった皆さまは、ぜひ小谷野敦さんを反面教師としてみてください。

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