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井脇議員の財団法人、系列学校に損失かぶせる 簿外処理(1/2ページ)

2009年2月23日3時0分

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 自民党の井脇ノブ子衆院議員(比例近畿)がいずれも理事長をしている学校法人と財団法人との間で、3億4千万円に及ぶ不明朗な会計処理が行われていたことが分かった。財団側の事業の失敗による損失を学校側に肩代わりさせる一方、財団の帳簿にはこれを載せずに簿外で処理していた。

 この処理で、グループ全体としては実態よりも帳簿上の財務内容がよく見えることになったが、損失の肩代わりなどで学校側は経営危機に陥っている。

 学校法人は、静岡県菊川市で国際開洋第一高校(生徒数130人)を、和歌山県日高川町で同第二高校(同85人)を運営している「国際開洋学園」。財団法人は、小・中学生を対象に海上研修をしている「少年の船協会」(東京都豊島区)。

 井脇氏側の説明などによると、少年の船協会は88年、自前で研修船を運航しようと青函連絡船の檜山丸を買って改造、「21世紀号」と名付けた。その際、金融機関から約8億円、学園側から約3億6千万円の融資を受けたが、事業は失敗。船は99年に6千万円で韓国企業に売り渡した。しかし、学園側への返済は2千万円余しかなく、残りの約3億4千万円を回収不能と判断した学園側は05、06年度に全額を損失処理した。

 学園側はこの処理まで3億4千万円を貸付金として資産扱いし、所管の静岡県にも報告していたが、協会が所管の厚生労働省に提出した帳簿には、学園側の貸し付けに見合う負債が記載されていない。一方で、同じ船絡みの負債でも金融機関からの負債は正しく載せていた。

 一連の経緯について井脇氏は「船の運航事業には思い入れがあったので、協会の帳簿と切り離した。帳簿に負債残高を書いてこなかったが、借り入れのたびに私が国に言ってきた。(いわば)『適切な簿外処理』だ」と主張している。

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